INTERNET — 2006

2006年のインターネット

携帯だけの人が1年で3分の1になった

第3層 SNS化存在したサービス 15この年に開始 2この年に終了 1

2006年のインターネット利用人口は8,754万人、人口普及率68.5%。前年比2.6%増で、 人数の伸びだけを見ると落ち着いた年に見える。 劇的に動いたのは端末の内訳のほうだった。 パソコンと携帯電話・PHSの両方を使う人が6,099万人(前年比25.4%増)、 パソコンのみが1,627万人(同2.6%増)、そして携帯電話・PHSのみが688万人(同64.2%減)。 携帯だけで済ませていた層の3分の2が、1年でパソコンを併用する側へ移っている。 白書はその理由を、光ファイバーの普及にともなってコンテンツが テキストや静止画から音声・動画へ大容量化したことに求めている。 携帯だけでは大容量のコンテンツを満足に扱えないため、 サービスごとにパソコンと携帯を使い分けるようになった、という説明である。 動画が、いったん携帯へ移りかけていた利用者をパソコンへ引き戻した。 実際この年の12月、ニコニコ動画が始まっている。 ところが同じ年、逆向きの動きも起きていた。 2月7日に始まったモバゲータウンは、携帯電話だけで完結するゲームとコミュニティの場として、 156日目の7月12日に会員100万人を突破する。運営が置いていた「2007年3月末に100万人」という目標を 約8か月前倒しした速度だった。 パソコンを持っていない層、あるいは家族と共用で自由に使えない層にとって、 自分専用の端末で完結する居場所には、動画とは別の需要があった。 つまり2006年は、重いものを見る場所と、人といる場所が、別々の端末に割り振られ始めた年である。 一つの機械で全部やる時代の終わりが、統計にはっきり出た最初の年だと言っていい。 SNSそのものはまだ小さい。白書はこの年、SNS利用者がインターネット利用者全体に対して まだわずかな割合であり、その8割以上がここ1〜2年で使い始めたばかりだと記している。 多くのSNSが既存加入者からの招待制を採っていたため、実名で発信する人も多く、 オープンかつ匿名を特徴としてきたインターネットのなかで、 SNSは新しい領域を作りつつある、という位置づけだった。 招待制がまだ機能していた、最後の時期にあたる。

この年のインターネット

2006年時点で日本から使えたサービスのカテゴリ。存在しなかった領域は表示していません。

掲示板コミュニティ検索ポータルツールニュースケータイホスティング個人サイトSNSゲーム動画チャットメールショッピングオークション

2006年の主役

この年に生まれたもの、消えたもの

2006年のネット文化

19872008チャットルーム同じ時刻に集まった人どうしが、短い文を即時にやりとりする「部屋」。 パソコン通信の機能として始まり、個人サイトが自分の部屋を置く形へ広がった。 通信料が定額になる時間帯に人が集まるという、日本特有の集まり方をした場所でもある。19972008直リンク禁止他所のサイトの画像やファイルを自分のページから直接呼び出すことを禁じる注意書き。 個人サイトの「お約束」ページにほぼ必ず書かれていた。マナーの問題に見えて、 実際には転送量が有限で、しかも呼ばれた側だけが払うという料金の構造から生まれている。20002008Flash文化Flash で作られた短いアニメーションや音楽作品を、個人が公開して見せ合っていた文化。 常時接続が普及した2000年代前半に、ブラウザだけで動く映像表現として広がり、 Flash Player のサポート終了(2020年12月31日)で再生手段ごと失われた。19962008キリ番アクセスカウンタが10000などのきりのいい数字になったとき、その訪問者が申告して 記念のイラストや文章をもらう習慣。個人サイトの訪問者数が「数えられる規模」だった時代に、 数字そのものをイベントに変えた文化。19962006工事中ページ中身がまだ無いページに「工事中」と書いて公開しておく習慣。作業員やバリケードの アニメーションGIFが添えられることが多かった。未完成であることを隠さず、 むしろ表示していたという点に、当時のサイトの位置づけが表れている。19982010メールマガジン登録した購読者へ定期的にまとまった内容のメールを配信する仕組み。「メールマガジン」という呼称自体が 1990年代末に広まった和製英語で、英語圏では newsletter と呼ばれる。 個人が定期刊行物の発行人になれた、日本のネット史で最初の形式だった。19962007相互リンク個人サイト同士が互いにリンクを張り合う習慣。掲示板やメールで申請し、 了承を得てから張るという手続きを伴うことが多かった。検索エンジンが弱かった時代に、 サイトを見つける主要な経路そのものだった。

2006年の環境

スペック表ではありません。なぜ当時のWebがあの見た目・使い方だったのかを 理解するための前提です。

主流端末
デスクトップPC/ノートPC/携帯電話(3G。パケット定額制が広がった)
ブラウザ
Internet Explorer 6/Firefox(選んで入れるブラウザとして使われ始めた)
回線
FTTH(光ファイバー。この年の内訳変化の背景として白書が挙げている)/ADSL/ケーブルインターネット/携帯電話のパケット定額制
画面解像度
パソコンは1024×768以上、携帯は横240ピクセル前後
携帯電話
携帯電話・PHSのみの利用者は688万人(前年比64.2%減)/パソコンと携帯の両方を使う人が6,099万人で最多
保存容量
100GB超のHDD/DVD/大容量化したメモリカード
主な検索手段
検索がほぼ唯一の入口になった一方、携帯側では公式メニューとサイト内の導線が入口として残っていた

2006年のネット人口

インターネット利用人口8754万人
平成18年。対前年比2.6%増。人口普及率68.5%出典: (1)インターネットの浸透(平成19年版 情報通信白書)
携帯電話・PHSのみでインターネットを使う人688万人
前年比64.2%減。パソコンとの併用が6,099万人(前年比25.4%増)、パソコンのみが1,627万人出典: (1)インターネットの浸透(平成19年版 情報通信白書)
モバゲータウンの会員数100万人
2006年2月7日の開始から156日目の7月12日に突破。当初目標の2007年3月末を約8か月前倒し出典: ゲーム&コミュニティサイト「モバゲータウン」の会員数が100万人を突破
モバゲータウンの月間ページビュー15.5億PV

2006年の画面

実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

mbga.jp(携帯電話の画面)240px
サイト名とログイン中のハンドル
アバター(自分の分身)
ミニメール(3)/日記/サークル/伝言板
ゲーム一覧(無料)
モバゴールドの残高
[1]戻る [5]ホーム
2006年の画面構造横幅が240ピクセル前後しかないため、段組みという発想が最初から無い。 すべてを縦一列に積み、数字キーで項目を選ばせる構成になる。 上部にアバターが置かれているのは飾りではなく、 文字数を割けない画面で自分が誰かを一目で示す手段がそれしか無かったからである。 パソコン向けのSNSがプロフィール文で自己紹介していたのに対し、 携帯では絵で名乗るほうが早かった。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。携帯電話の縦長画面。全角で十数文字が数行しか入らず、縦に積むしか選択肢がない※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
mixi.jp(ホーム)1024px
ホーム 日記 コミュニティ
プロフィール画像
マイミクシィ
あしあと
最新の日記
コミュニティの新着
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2005年の画面構造中心にあるのは日記で、その周りに人間関係が配置されている。 左の「あしあと」は誰が自分のページを見たかの一覧で、読むだけでも相手に伝わった。 この設計は交流を促進する一方、見たのに反応しないことが気まずいという独特の緊張も生んだ。 角丸と淡い配色は、当時Web 2.0と呼ばれた視覚言語である。※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
www.nicovideo.jp(動画視聴ページ)1024px
ランキング 検索 マイリスト
流れるコメント
動画(この上をコメントが流れる)
動画の説明
タグ
コメント一覧
2007年の画面構造通常の動画サイトが動画とコメント欄を上下に分けるのに対し、ニコニコはそれを重ねた。 右のコメント一覧は補助で、体験の中心は動画の上を流れる文字のほうにある。 別々の日に書かれた反応が同じ場面で同時に現れるため、非同期なのに同時に見ているように感じられた。※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

当時のWebを見る

実際に保存された2006年のページは、外部のWebアーカイブで閲覧できます。 保存の有無はサービスごとに異なるため、各サービスのページから状態を確認してください。

サービス索引から探す

出典

  1. 公的資料(1)インターネットの浸透(平成19年版 情報通信白書)総務省
    平成18年のインターネット利用人口8,754万人(対前年比2.6%増)、人口普及率68.5%、 パソコンと携帯電話・PHSの両方を利用する人6,099万人(前年比25.4%増)、 パソコンのみ1,627万人(同2.6%増)、携帯電話・PHSのみ688万人(同64.2%減)、 FTTHの普及とコンテンツの大容量化を背景に端末を使い分ける傾向が高まったという分析
    確認日: 2026-08-16
  2. 公的資料(2)ブログとSNS(平成19年版 情報通信白書)総務省
    SNS利用者はインターネット利用者全体に対してまだわずかな割合で、 その8割以上がここ1〜2年で利用を始めた普及進展段階であること、 多くのSNSが既存加入者からの招待制を採り実名で発信する人も多く、 オープンかつ匿名を特徴としてきたインターネットのなかで新たな領域を形成しているという位置づけ
    確認日: 2026-08-16
  3. 一次資料ゲーム&コミュニティサイト「モバゲータウン」の会員数が100万人を突破株式会社ディー・エヌ・エー 2006-07-12
    2006年2月7日の開始から156日目の7月12日に会員100万人突破、 2007年3月末の目標を約8か月前倒し、2006年6月末で月間約15億5,000万PV(1日平均約5,200万PV)、 利用者は学生や主婦が中心
    確認日: 2026-08-16
  4. 一次資料DeNA、携帯電話専用ゲームサイト「モバゲータウン」を開始株式会社ディー・エヌ・エー 2006-02-07
    サービス開始日2006年2月7日、無料、アバターとコミュニティ機能の構成
    確認日: 2026-08-16

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