LAYER 3 — 2005〜2009
SNS化
発信の単位が「サイト」から「アカウント」へ移った層。自分でページを作らなくても 書き込める場所が用意され、誰が書いたかが実名やプロフィールに紐づくようになった。 個人ホームページ文化が縮小し、代わりに人間関係そのものがコンテンツになった。
この層で何が変わったか
それまで、インターネットで発信するにはまず「場所」を用意する必要があった。 無料スペースを借り、HTMLを書き、FTPで上げる。この手間が発信者の総数を抑えていた。 この層で起きたのは、その手間の消滅である。アカウントを作れば、その日から書ける。 結果として発信者は桁違いに増えたが、同時に決定的な変化が起きた。発信の単位が 「サイト」から「人」へ移ったことである。サイトには管理人がいてトップページがあり、 訪問者は玄関から入った。アカウントには玄関がなく、流れてくる投稿だけがある。 「足あと」「マイミク」「相互リンク」のように、それまで暗黙だった人間関係が システムの機能として可視化されたのもこの層で、これが後のフィードとアルゴリズムの前提になった。 次の層との境目は2010年に置いているが、端末が入ってきた日ではない。 iPhone 3G の日本発売は2008年7月で、この層の途中にあたる。 統計の上でスマートフォンからの利用がパソコンを上回るのは2017年で、こちらはずっと後である。 2010年で切っているのは、作る側が「小さい画面を前提に設計し直し始めた」時点だからで、 発売日でも普及率でもない。 この判断はこのサイト全体の地層の切り方に共通している。 境目は、多数派になった年ではなく、作法が切り替わった年に置く。 多数派になる年は統計で決まるが、作法が変わる年は残された画面の形で決まる。