インターネット地層
インターネットの変化は、出来事の連なりというより環境の構造変化として起きてきました。 回線が変わり、端末が変わり、その結果として文化が変わる。 どの層にいたかで、同じ「インターネット」がまったく違うものになります。
電話回線でつなぎ、つないでいる間ずっと課金される時代。ページは軽さを最優先に作られ、 情報を探す手段は人の手で分類されたディレクトリだった。個人が自分のページを持つことが、 そのまま「インターネットをする」ことだった層。
ダイヤルアップテレホーダイ個人ホームページディレクトリ検索掲示板テキストサイトADSLが普及し、接続が「つなぐもの」から「つながっているもの」へ変わった層。 常時接続と定額制によってページの重さの制約が緩み、Flash・動画・大きな画像が現実的になった。 同時に、書き込みのコストが下がったことで掲示板とブログが爆発的に広がった。
ADSL常時接続Flash巨大掲示板ブログネット通販ネットオークション発信の単位が「サイト」から「アカウント」へ移った層。自分でページを作らなくても 書き込める場所が用意され、誰が書いたかが実名やプロフィールに紐づくようになった。 個人ホームページ文化が縮小し、代わりに人間関係そのものがコンテンツになった。
mixiYouTubeニコニコ動画ブログブームTwitter登場動画共有インターネットに触れる時間の主戦場が、机の前からポケットの中へ移った層。 画面が縦長になり、指で操作するようになったことで、情報密度の高いポータル型レイアウトが 成立しなくなった。日本では、ガラケー向けWebという独自の生態系が急速に消えた層でもある。
スマートフォンアプリLINEInstagramレスポンシブデザインガラケーWebの終焉何を見るかを、自分で選ぶのではなく推薦される側に回った層。 時系列で並んでいたフィードが推薦順に置き換わり、「探す」より「流れてくる」が インターネットの標準的な体験になった。
おすすめフィード動画の短尺化インフルエンサーSNS検索サブスクリプション検索結果のリンクを開く前に、答えが返ってくるようになった層。 Webページを「読みに行く」という前提そのものが揺らいでいる、現在進行形の地層。 ここで起きていることは、数年後にはこのサイトの展示対象になる。
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