INTERNET — 2007

2007年のインターネット

パソコンと携帯が、ほぼ同じ数だけ使われていた年

第3層 SNS化存在したサービス 23この年に開始 1

2007年末のインターネット利用者数は8,811万人、人口普及率69.0%。 内訳を見ると、パソコンから利用した端末数が7,813万、 携帯端末からが7,287万で、両者はほぼ拮抗している。 ここに、この時期の日本のWebの特異さがある。 同じ人がパソコンと携帯の両方から使っていた場合も多いが、 重要なのはその二つが同じページを見ていなかったことである。 パソコン向けのページと携帯向けのページはURLも中身も別で、 作る側は同じ内容を二度用意していた。 海外では携帯からのWeb利用がまだ限定的だった時期に、 日本だけが二つのWebを本格的に並走させていた。 発信の側では、書く場所と見る場所の分化が進んでいた。 この年、mixiの会員は1,000万人を超えている。 前年12月に始まったニコニコ動画は、3月に動画投稿へ対応し、 見る人がそのまま作る人になる循環が回りはじめた。 ブログは書く手間をさらに下げ、掲示板は依然として最大の情報流通量を持っていた。 そして同じ年、海外ではiPhoneが登場している。 日本でこの端末が普及するのは数年後になるが、 ここで始まった変化が、二つに分かれていた日本のWebを一本に戻し、 ガラケー向けという生態系を消していくことになる。 2007年は、日本のWebが二重だった状態の頂点にあたる。

この年のインターネット

2007年時点で日本から使えたサービスのカテゴリ。存在しなかった領域は表示していません。

掲示板コミュニティショッピング検索ポータルツールニュースケータイホスティング個人サイトSNSゲームブログ接続サービス動画オークション

2007年の主役

この年に生まれたもの、消えたもの

この年に終わった

記録されているものはありません。

2007年のネット文化

1997 — 2012着メロ携帯電話の着信音を、自分で選んだ曲に変える文化。 はじめは専門誌を見ながら自分で打ち込むものだったが、公式メニューから買えるようになり、 日本のネットで個人が少額を払う習慣を最初に作った領域になった。1987 — 2008チャットルーム同じ時刻に集まった人どうしが、短い文を即時にやりとりする「部屋」。 パソコン通信の機能として始まり、個人サイトが自分の部屋を置く形へ広がった。 通信料が定額になる時間帯に人が集まるという、日本特有の集まり方をした場所でもある。1997 — 2008直リンク禁止他所のサイトの画像やファイルを自分のページから直接呼び出すことを禁じる注意書き。 個人サイトの「お約束」ページにほぼ必ず書かれていた。マナーの問題に見えて、 実際には転送量が有限で、しかも呼ばれた側だけが払うという料金の構造から生まれている。2000 — 2008Flash文化Flash で作られた短いアニメーションや音楽作品を、個人が公開して見せ合っていた文化。 常時接続が普及した2000年代前半に、ブラウザだけで動く映像表現として広がり、 Flash Player のサポート終了(2020年12月31日)で再生手段ごと失われた。1996 — 2008キリ番アクセスカウンタが10000などのきりのいい数字になったとき、その訪問者が申告して 記念のイラストや文章をもらう習慣。個人サイトの訪問者数が「数えられる規模」だった時代に、 数字そのものをイベントに変えた文化。1998 — 2010メールマガジン登録した購読者へ定期的にまとまった内容のメールを配信する仕組み。「メールマガジン」という呼称自体が 1990年代末に広まった和製英語で、英語圏では newsletter と呼ばれる。 個人が定期刊行物の発行人になれた、日本のネット史で最初の形式だった。2005 — 2018まとめサイトネット上の情報を集めて整理し、読みやすく並べ直して公開するサイト。 掲示板やSNSの書き込みを抜き出したものもここに含まれる。 2014年ごろに爆発的に増えたが、剽窃と質の低下が社会問題化し、2016年末を境に下火になった。1996 — 2007相互リンク個人サイト同士が互いにリンクを張り合う習慣。掲示板やメールで申請し、 了承を得てから張るという手続きを伴うことが多かった。検索エンジンが弱かった時代に、 サイトを見つける主要な経路そのものだった。2003 — 2012トラックバック別のブログへリンクを張ったときに、相手へ「あなたの記事を参照した」と通知する仕組み。 リンクされた側は参照している記事の一覧を自動で作れた。 ブログ同士が相互に反応し合う光景を作った機能で、いまはほとんど残っていない。

2007年の環境

スペック表ではありません。なぜ当時のWebがあの見た目・使い方だったのかを 理解するための前提です。

主流端末
デスクトップPC/ノートPC/携帯電話(ガラケー)
ブラウザ
Internet Explorer 6 / 7(圧倒的多数)/Firefox 2.x
回線
光ファイバー(拡大)/ADSL(主流だが減少に転じる)/携帯パケット定額
画面解像度
1024×768 が標準。携帯は全角十数文字が数行
携帯電話
iモード/EZweb/Yahoo!ケータイ
保存容量
160〜320GBのHDD/DVD
主な検索手段
全文検索が主流。携帯では公式メニューの階層をたどる方式が併存

2007年のネット人口

パソコンから利用した端末数7813万
携帯端末から利用した端末数7287万
平成19年末。前年から201万増。パソコンとほぼ拮抗していた/出典: 平成20年版 情報通信白書 「第1章第3節1(1)インターネットの利用状況」

2007年の画面

実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

動画ページ(映像とコメントを分ける形)960px
検索窓 / 動画 / カテゴリ / メンバー登録
動画プレーヤー
再生 / 音量 / 全画面
タイトル/投稿者/再生回数/評価
説明文
コメント欄(投稿順に上から並ぶ)
関連動画
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2007年の画面構造映像とコメントが上下に分かれている。 これがこの時期の標準的な作りで、他の多くの動画サイトも同じ形をとっていた。 読むには視線を下へ移す必要があり、 どのコメントがどの場面についてのものかは、読み手が推測するしかない。 同じ2007年に日本で広がっていた別の形式は、ここを重ねた。 文字を映像の上に流すと、別々の日に書かれたコメントが同じ場面で同時に現れる。 一人で見ているのに大勢と見ているように感じる、という体験の差はここから出ている。 どちらが優れているという話ではない。 分けた側は映像そのものを邪魔せず、後から読み返せる。 重ねた側は同時に見ている感覚を作るが、映像は文字で隠れる。 日本で二つの動画の場所が長く並び立ったのは、 この一点の設計が違っていたからである。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。映像が上、文字が下。上下に分けるのがこの時期の標準的な作りだった※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
プロフィールのページ(質問に答えて埋める)120px
○○のプロフ
写真
名前   : ○○
誕生日  : ○月○日
血液型  : ○型
性格   : ○○○
好きな音楽: ○○○
ひとこと : ○○○○○
1 このプロフにコメントする
2 友達のプロフ一覧
000000アクセス 0123
2007年の画面構造左に質問、右に答え。この構造が最初から用意されていることが要点である。 個人サイトなら、何を書くかを決めるところから始めなければならない。 ここでは項目が並んでいて、埋めれば完成する。 書く力も、構成する力も要求されない。 埋める形式だからこそ、読み比べが成立したとも言える。 同じ項目に別の答えが入っているだけなので、 友達のページを次々に開いて差分だけを見ていく読み方ができる。 パケット定額制が広がった時期にこの遊び方が流行したのは、 1ページあたりが軽く、たくさん開くことが前提だったからでもある。 同時に、この形式は公開範囲を選ぶ仕組みを持っていなかった。 誕生日も、通っている学校の話も、同じ一枚に並んで誰からでも読める。 見せる相手を刻むという発想が入ってくるのは、これより後になる。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。携帯電話の縦長画面。上から下へ質問と答えが交互に並ぶだけの構造※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
mixi.jp(ホーム)1024px
ホーム 日記 コミュニティ
プロフィール画像
マイミクシィ
あしあと
最新の日記
コミュニティの新着
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おすすめ
2005年の画面構造中心にあるのは日記で、その周りに人間関係が配置されている。 左の「あしあと」は誰が自分のページを見たかの一覧で、読むだけでも相手に伝わった。 この設計は交流を促進する一方、見たのに反応しないことが気まずいという独特の緊張も生んだ。 角丸と淡い配色は、当時Web 2.0と呼ばれた視覚言語である。※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
www.nicovideo.jp(動画視聴ページ)1024px
ランキング 検索 マイリスト
流れるコメント
動画(この上をコメントが流れる)
動画の説明
タグ
コメント一覧
2007年の画面構造通常の動画サイトが動画とコメント欄を上下に分けるのに対し、ニコニコはそれを重ねた。 右のコメント一覧は補助で、体験の中心は動画の上を流れる文字のほうにある。 別々の日に書かれた反応が同じ場面で同時に現れるため、非同期なのに同時に見ているように感じられた。※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
iMenu(iモード公式メニュー)120px
iMenu
1 メニューリスト
2 料金照会
3 メール設定
4 お知らせ
ニュース/天気
着信メロディ
乗換案内
2000年の画面構造項目の頭に番号が振ってあるのは、カーソルで降りていくより数字キーを1回押すほうが速いからである。 片手で、歩きながら、数秒で目的に着く必要があった。 検索窓が無いのは技術的な制約ではなく、審査を通った公式サイトを階層で並べるという設計思想の結果で、 自由に広がるパソコンのWebとは前提そのものが違っていた。全角十数文字が数行という表示領域。横スクロールという概念自体が無い※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

当時のWebを見る

実際に保存された2007年のページは、外部のWebアーカイブで閲覧できます。 保存の有無はサービスごとに異なるため、各サービスのページから状態を確認してください。

サービス索引から探す

出典

  1. 公的資料平成20年版 情報通信白書 「第1章第3節1(1)インターネットの利用状況」(総務省)
    平成19年末のインターネット利用者数8,811万人、人口普及率69.0%(前年比0.5ポイント増)。 端末別ではパソコンから7,813万(前年から242万増)、携帯端末から7,287万(前年から201万増)
    確認日: 2026-08-16
  2. 一次資料おかげさまでmixi20周年!(mixi 年表)(株式会社MIXI)
    2007年5月に会員1,000万人を突破
    確認日: 2026-08-16
  3. 一次資料【6周年】ニコニコ建国記念日ちょっと昔話(株式会社ドワンゴ(ニコニコインフォ)) 2012-12-12
    2007年3月6日に動画投稿へ対応
    確認日: 2026-08-16

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