INTERNET — 2005

2005年のインターネット

携帯からしかネットを見ない人が2割を超えた年

第3層 SNS化存在したサービス 21この年に開始 1

2005年末のインターネット利用者数は8,529万人、人口普及率66.8%。前年から581万人増えている。 数としては順当な伸びだが、この年の重要な事実は総数ではなく内訳のほうにある。 総務省の集計によると、パソコンと携帯電話の双方から利用する人が4,862万人(57.0%)、 携帯電話のみが1,921万人(22.5%)、パソコンのみが1,585万人(18.6%)だった。 携帯電話だけでインターネットを使う人が、パソコンだけの人より多い。 これは日本に特有の状況で、パソコンを持たない層がiモードなどを通じて 直接ネットに入ってきたことの結果である。 この構造は、当時のサイトの作り方を二分していた。パソコン向けのページと携帯向けのページは 別々に作られ、URLも中身も違っていた。同じサービスでも、パソコンから見た姿と 携帯から見た姿がまったく違うのが普通だった。後にスマートフォンが両者を一本化するが、 それまでの約10年間、日本のWebは事実上二つ存在していた。 発信の側でも移動が起きていた。前年に始まったmixiがこの年に会員100万人、 年末には200万人を超えている。ブログサービスも出そろい、 HTMLを書いてFTPで上げるという手順を踏まなくても書ける場所が一般化した。 個人ホームページの更新が止まっていったのはこの時期で、 利用者が減ったのではなく、書く場所を移していった。

この年のインターネット

2005年時点で日本から使えたサービスのカテゴリ。存在しなかった領域は表示していません。

掲示板コミュニティショッピング検索ポータルツールニュースケータイホスティング個人サイトSNSゲームブログ接続サービスチャットメールオークション

2005年の主役

この年に生まれたもの、消えたもの

この年に終わった

記録されているものはありません。

2005年のネット文化

1997 — 2012着メロ携帯電話の着信音を、自分で選んだ曲に変える文化。 はじめは専門誌を見ながら自分で打ち込むものだったが、公式メニューから買えるようになり、 日本のネットで個人が少額を払う習慣を最初に作った領域になった。1987 — 2008チャットルーム同じ時刻に集まった人どうしが、短い文を即時にやりとりする「部屋」。 パソコン通信の機能として始まり、個人サイトが自分の部屋を置く形へ広がった。 通信料が定額になる時間帯に人が集まるという、日本特有の集まり方をした場所でもある。1997 — 2008直リンク禁止他所のサイトの画像やファイルを自分のページから直接呼び出すことを禁じる注意書き。 個人サイトの「お約束」ページにほぼ必ず書かれていた。マナーの問題に見えて、 実際には転送量が有限で、しかも呼ばれた側だけが払うという料金の構造から生まれている。2000 — 2008Flash文化Flash で作られた短いアニメーションや音楽作品を、個人が公開して見せ合っていた文化。 常時接続が普及した2000年代前半に、ブラウザだけで動く映像表現として広がり、 Flash Player のサポート終了(2020年12月31日)で再生手段ごと失われた。1996 — 2008キリ番アクセスカウンタが10000などのきりのいい数字になったとき、その訪問者が申告して 記念のイラストや文章をもらう習慣。個人サイトの訪問者数が「数えられる規模」だった時代に、 数字そのものをイベントに変えた文化。1996 — 2006工事中ページ中身がまだ無いページに「工事中」と書いて公開しておく習慣。作業員やバリケードの アニメーションGIFが添えられることが多かった。未完成であることを隠さず、 むしろ表示していたという点に、当時のサイトの位置づけが表れている。1998 — 2010メールマガジン登録した購読者へ定期的にまとまった内容のメールを配信する仕組み。「メールマガジン」という呼称自体が 1990年代末に広まった和製英語で、英語圏では newsletter と呼ばれる。 個人が定期刊行物の発行人になれた、日本のネット史で最初の形式だった。2005 — 2018まとめサイトネット上の情報を集めて整理し、読みやすく並べ直して公開するサイト。 掲示板やSNSの書き込みを抜き出したものもここに含まれる。 2014年ごろに爆発的に増えたが、剽窃と質の低下が社会問題化し、2016年末を境に下火になった。1996 — 2007相互リンク個人サイト同士が互いにリンクを張り合う習慣。掲示板やメールで申請し、 了承を得てから張るという手続きを伴うことが多かった。検索エンジンが弱かった時代に、 サイトを見つける主要な経路そのものだった。1998 — 2005テキストサイト文章そのものを読ませることを主目的にした個人サイト。画像も動画も置けない、 あるいは置くと重すぎるという条件の下で、文体と改行と間の取り方だけで 読ませる技術が磨かれた。2000年前後の数年間に集中して現れた形式。2003 — 2012トラックバック別のブログへリンクを張ったときに、相手へ「あなたの記事を参照した」と通知する仕組み。 リンクされた側は参照している記事の一覧を自動で作れた。 ブログ同士が相互に反応し合う光景を作った機能で、いまはほとんど残っていない。

2005年の環境

スペック表ではありません。なぜ当時のWebがあの見た目・使い方だったのかを 理解するための前提です。

主流端末
デスクトップPC/ノートPC/携帯電話(ガラケー)
ブラウザ
Internet Explorer 6(圧倒的多数)/Firefox 1.x(前年に1.0が公開され、少しずつ使われ始めた)
回線
ADSL(主流)/光ファイバー(拡大中)/携帯パケット通信(定額制が広がり始める)
画面解像度
1024×768 が標準
携帯電話
iモード/EZweb/ボーダフォンライブ!
保存容量
DVD-R/80〜250GB前後のHDD
主な検索手段
全文検索が主流。ディレクトリ型の比重はほぼ失われた

2005年のネット人口

インターネット利用者数8529万人
携帯電話のみで利用する人の割合22.5%
1,921万人。パソコンのみ(18.6%・1,585万人)より多い/出典: 平成18年版 情報通信白書 「インターネットの利用状況」
パソコンと携帯の双方で利用する人の割合57%

2005年の画面

実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

本文の語が、そのままリンクになる日記700px
2005-○-○ 日記のタイトル
本文(ふつうの文章)
本文(語に自動でリンクが付く ── 書き手は張っていない)
本文
この語を含む日記へ / 語の説明ページへ
コメント(○件)
前の日 / 次の日 / 月別 / 一覧
2005年の画面構造画面の見た目は同時期のブログとほとんど変わらない。 違いは、本文の中のリンクを誰が張ったかにある。 ここでは書き手がリンクを張っていない。 語を書いただけで、その語が自動的に説明のページへつながり、 同じ語を書いた他の人の日記へ辿れるようになる。 同じころ、[相互リンク](/culture/sougo-link)は申請して了承を得る手続きだったし、 [トラックバック](/culture/trackback)は書いた側が相手へ通知を送る仕組みだった。 どちらも人が決めてつなぐ。ここでは語彙がそのまま経路になっている。 この設計は、用語の多い分野ほど強く効いた。 技術の話を書けば、専門語のすべてが自動的に他の書き手とつながる。 一方で、日常の言葉ばかりの文章では意図しない語まで拾われる。 つなぐ判断を機械に任せたことの利点と副作用が、同じ仕組みから出ている。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。見た目は当時のブログと変わらない。違うのは本文中のリンクを誰が張ったか※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
携帯電話の画面に作った個人ホームページ120px
☆★ ○○のおへや ★☆
ようこそ! 来てくれてありがとう(^^)
1 プロフィール
2 日記
3 掲示板
4 アルバム
5 リンク
000000あなたは 01234 人目
キリ番踏んだら掲示板に書いてね!
2005年の画面構造部品の並びが、パソコンの個人サイトとほとんど同じである。 挨拶、プロフィール、日記、掲示板、アルバム、リンク、そしてカウンタ。 画面の幅は10分の1以下で、入力手段も数字キーしかない。 それでも同じ構成に落ち着いたということは、 この形が画面の都合ではなく「自分の場所を持つ」という形式から出ているということになる。 最下部の一行が要点である。 訪問者の数が見えていて、切りのいい数字を踏んだ人が名乗り出る。 1990年代のパソコンの画面で育った作法が、 まったく別系統の端末の上で、独立に同じ形をとった。 そして項目に番号が振ってあるのは、当時の携帯Webに共通する作法だった。 カーソルで降りるより、数字キーを1回押すほうが速い。 作る側は、その速さを前提に自分のページの構成を決めていた。 実際に2000年3月に採取された当時のトップページを確認すると、 項目は [1] から [0] まで番号が振られ、 文字は半角カタカナで書かれている。 全角では1文字ぶんの幅を、半角なら半分で済む。 十数文字しか入らない画面では、濁点や小書きの読みにくさより、 1行に収まることのほうが優先された。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。全角十数文字が数行。この幅の中に、パソコンの個人サイトと同じ部品が一式入っている※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
mixi.jp(ホーム)1024px
ホーム 日記 コミュニティ
プロフィール画像
マイミクシィ
あしあと
最新の日記
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2005年の画面構造中心にあるのは日記で、その周りに人間関係が配置されている。 左の「あしあと」は誰が自分のページを見たかの一覧で、読むだけでも相手に伝わった。 この設計は交流を促進する一方、見たのに反応しないことが気まずいという独特の緊張も生んだ。 角丸と淡い配色は、当時Web 2.0と呼ばれた視覚言語である。※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
iMenu(iモード公式メニュー)120px
iMenu
1 メニューリスト
2 料金照会
3 メール設定
4 お知らせ
ニュース/天気
着信メロディ
乗換案内
2000年の画面構造項目の頭に番号が振ってあるのは、カーソルで降りていくより数字キーを1回押すほうが速いからである。 片手で、歩きながら、数秒で目的に着く必要があった。 検索窓が無いのは技術的な制約ではなく、審査を通った公式サイトを階層で並べるという設計思想の結果で、 自由に広がるパソコンのWebとは前提そのものが違っていた。全角十数文字が数行という表示領域。横スクロールという概念自体が無い※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
ブログ記事の下半分(コメントとトラックバック)800px
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2005年の画面構造記事より下のほうが縦に長い、という構成がこの時期のブログの特徴だった。 下半分は他人が書き足す領域である。 コメントは読者が直接書き込み、トラックバックは別のブログが機械的に登録していく。 隅に置かれた「この記事へのトラックバックURL」は、 他のサイトから通知を送るための宛先で、 記事ごとに接続用の住所が公開されていたことを示している。 個人ホームページが玄関からしか入れなかったのに対し、 ブログは記事1本ごとに出入口を持っていた。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。本文より下に、反応と接続のための区画が積み上がっていた時期の構成※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
GREEモバイル(携帯電話向けSNSのメニュー)120px
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2005年の画面構造並び順がそのまま設計思想になっている。 上から三つは他人の更新で、自分のページはずっと下にある。 細切れの時間に開いて「誰かが何か書いたか」だけを確認して閉じる、 という使われ方を前提に組まれた画面である。 上位に「アクセス履歴」が置かれているのも同じ理由で、 誰が自分を見に来たかが、次に開く動機になる。 パソコン版の機能をそのまま縮めたのではなく、 小さい画面で最初に見せるべきものを選び直した結果がこの順序だった。 もうひとつ、この形式の性格を決めているのが始め方である。 利用開始にはパソコンから専用ページを開いて自分の携帯メールアドレスを登録する必要があり、 携帯だけでは始められなかった。 一方で一度端末情報を登録すれば次回からログインは省略される。 入口はパソコン、日常の利用は携帯という、この時期に特有のねじれがここに出ている。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。全角十数文字が数行。パソコン版と同じ内容を、この幅に入れ直す作業が要った※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

当時のWebを見る

実際に保存された2005年のページは、外部のWebアーカイブで閲覧できます。 保存の有無はサービスごとに異なるため、各サービスのページから状態を確認してください。

サービス索引から探す

出典

  1. 公的資料平成18年版 情報通信白書 「インターネットの利用状況」(総務省)
    平成17年末のインターネット利用者数8,529万人(前年比581万人増)、人口普及率66.8%。 端末別ではパソコンと携帯電話の双方が4,862万人(57.0%)、携帯電話のみ1,921万人(22.5%)、 パソコンのみ1,585万人(18.6%)
    確認日: 2026-08-16
  2. 一次資料おかげさまでmixi20周年!(mixi 年表)(株式会社MIXI)
    2005年8月に会員100万人、12月に200万人を達成
    確認日: 2026-08-16

2005携帯からしかネットを見ない人が2割を超えた年
19952023