iモード

終了ケータイポータルコミュニティ19992026(27年)

1999年2月22日に始まった、携帯電話からインターネットを使うためのNTTドコモのサービス。 パソコンを持たない層を一気にネットへ引き入れ、日本独自の携帯Web文化を生んだ。 2026年3月31日、FOMAとともに27年の歴史を終えた。

基本情報

サービス名
iモードi-mode、iモード公式サイト、勝手サイト
開始
19992月22日
携帯電話でメールとWebが使えるサービスとして開始。コンパクトHTMLとパケット通信方式を採用した
終了
20263月31日
運営
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(1999〜2026)
当時のURL
http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/
現在
終了(2026-08-16時点)

その時代の立ち位置

誰が使っていたか
パソコンを持っていない層。中高生、営業職、主婦。パソコンでインターネットを始めた人とは まったく別の集団が、携帯電話から直接ネットに入ってきた。これが日本のネット人口の 厚みを一段変えている
何のために
メール、着メロのダウンロード、乗換案内、天気、銀行残高の確認、占い、待ち合わせ。 「調べる」より「済ませる」ための道具で、1回あたりの利用時間はきわめて短かった
何が新しかったか
課金の仕組みを最初から組み込んだこと。月額数百円のコンテンツ料を通信料と一緒に回収できたため、 無料と広告しか選べなかったパソコン向けWebと違い、小さなサイトでも収益が成立した。 技術ではなくこの決済の設計が、日本独自のコンテンツ産業を生んだ最大の要因である
今でいう何か
スマートフォンのアプリストアと、そこに載るサブスクリプション課金を合わせたもの

iモードを時間旅行する

デザインの変化を並べるだけではなく、なぜそう変わったのかを書いています。

  1. 20003行のメニューから始まる2000年のネットへ →

    画面は数センチ四方、表示できるのは全角十数文字が数行という制約だった。 使えるのはコンパクトHTMLという簡略版のHTMLで、装飾はほとんどできない。 この条件下で設計されたのが「メニューを辿る」という操作である。 検索窓に言葉を入れるのではなく、ドコモが審査して並べた公式サイトの一覧を、 カーソルキーで上から順に降りていく。パソコンのWebが自由な広がりだったのに対し、 iモードは最初から編集された階層構造だった。

    コンパクトHTML全角十数文字×数行カーソルキー操作番号ショートカット白黒液晶
    iMenu(iモード公式メニュー)120px
    iMenu
    1 メニューリスト
    2 料金照会
    3 メール設定
    4 お知らせ
    ニュース/天気
    着信メロディ
    乗換案内
    2000年の画面構造項目の頭に番号が振ってあるのは、カーソルで降りていくより数字キーを1回押すほうが速いからである。 片手で、歩きながら、数秒で目的に着く必要があった。 検索窓が無いのは技術的な制約ではなく、審査を通った公式サイトを階層で並べるという設計思想の結果で、 自由に広がるパソコンのWebとは前提そのものが違っていた。全角十数文字が数行という表示領域。横スクロールという概念自体が無い※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
  2. 2003公式サイトと勝手サイト

    メニューに載る「公式サイト」はドコモの審査を通ったもので、 月額課金を通信料と一緒に回収できた。載らないものは「勝手サイト」と呼ばれ、 URLを直接入力するか、雑誌やクチコミで知るしかなかった。 この二層構造が、日本の携帯Webの性格を決めている。 公式は着メロ・占い・ゲームといった課金コンテンツが並ぶ整然とした売り場になり、 勝手サイト側には個人が作った掲示板・小説・ゲームの攻略情報が広がった。 パソコンのWebでは同じ空間にあったものが、携帯では制度的に分かれていた。

    公式メニューの階層月額課金勝手サイト絵文字
  3. 202627年で終わる

    2026年3月31日、3GのFOMAと同じ日にサービスを終えた。 終了の理由としてドコモは、4G・5Gの普及による利用者の減少と、 電波を有効活用してより高品質な通信サービスを提供することを挙げている。 告知は終了の5年以上前から行われていた。 消えたのはサービスだけではない。絵文字のように現在まで残ったものもあるが、 公式メニューの階層構造も、勝手サイトの生態系も、 そこにあったページのほとんどはアーカイブに残っていない。

    サービス終了3G停波

なぜ終わったのか

直接の理由は、ドコモが公表しているとおり4G・5Gの普及による利用者の減少と、 3Gの電波を有効活用するための帯域再編である。ただしiモードという形式そのものは、 それよりずっと早く役目を終えていた。 スマートフォンが登場した時点で、iモードが解いていた問題のほとんどが不要になったからである。 第一に、画面の制約が消えた。コンパクトHTMLで簡略化する必要がなくなり、 パソコン向けのページがそのまま読めるようになった。 第二に、公式メニューという審査済みの入口が要らなくなった。 アプリストアと検索がその役割を引き取り、しかもドコモという通信事業者の外側に置かれた。 第三に、iモード最大の発明だった通信料と一体の課金が、 アプリストアの決済に置き換わった。 キャリアがコンテンツの入口と決済の両方を握るという構造が崩れたことが、 技術的な世代交代よりも決定的だった。

系譜

同じ時代にあったもの

覚えていますか?

iモードを使っていましたか?

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当時のページを見る

実際に保存された過去のページは外部のWebアーカイブにあります。保存されていることを保証するものではありません。

保存状況: わずかに保存 ドコモ側の案内ページは残っているが、iモード端末からしか見られなかったサイト群は ほとんど採取されていない。通常のブラウザからアクセスできないページが多く、 クローラが到達できなかったため。**当時の携帯Webは、記録がほとんど残っていない領域である**

この時代のインターネットへ

iモードだけを見ても、当時の空気は分かりません。同じころ何が存在していたかを見てください。

出典

  1. 一次資料「FOMA」および「iモード」サービス終了のご案内株式会社NTTドコモ
    終了日2026年3月31日。終了理由として4G・5Gの普及による利用者減少と電波の有効活用を挙げている
    確認日: 2026-08-16
  2. 報道ドコモの3G「FOMA」と「iモード」が本日31日終了 ── 歴史に残るサービスはどう始まったのかケータイ Watch 2026-03-31
    開始日1999年2月22日、コンパクトHTMLとパケット通信方式の採用、課金システムの内蔵、公式サイトと勝手サイトの区分、FOMAの開始日2001年10月1日
    確認日: 2026-08-16
  3. 公的資料平成14年版 情報通信白書 「1 我が国におけるインターネットの着実な普及」総務省
    携帯電話経由のインターネット利用が拡大した時期の全体像
    確認日: 2026-08-16

このページの記載は 2026-08-16 時点の調査に基づきます。誤りのご指摘・情報提供