INTERNET — 2002

2002年のインターネット

半数を超えた年に、半数はまだ従量制だった

第2層 ブロードバンド化存在したサービス 12

2002年末のインターネット利用人口は6,942万人。前年比24.1%増、1年で1,349万人増えて、 人口普及率は54.5%になった。国民の2人に1人という水準を初めて超えた年である。 世帯普及率は前年末の60.5%から81.4%へ、事業所普及率も79.1%へ跳ね上がっている。 ところが同じ年の別の数字を見ると、様子が違って見える。 自宅のパソコンからインターネットを使うときにブロードバンドを利用している世帯は29.6%。 電話回線によるダイヤルアップは44.9%で、まだダイヤルアップのほうが多い。 前年の14.9%から倍増してなお、この位置だった。 つまり2002年は、過半数がインターネットを使うようになった年であると同時に、 自宅の接続としては依然として従量制が主流だった年でもある。 「みんなが使っている」と「つなぎっぱなしにできる」のあいだには、まだ1年以上の差があった。 その差を詰めていたのが価格である。 DSLの契約数は平成14年度末で702万契約、1年で約3倍。 平成13年7月以降、毎月30〜50万契約のペースで増え続けていた。 ブロードバンド全体の回線契約数は943万契約で、こちらも1年で約2.4倍。 2001年9月に始まったYahoo! BBが月額2,280円・下り最大8Mbpsという条件を出したあと、 各社が追随して値下げと増速に動いた結果がこの伸びに現れている。 同年8月以降には最大12MbpsのADSLが各社から提供され始めた。 もうひとつ、この年の数字で見落とせないのが端末の内訳である。 パソコンからの利用者が5,722万人に対し、携帯電話等からの利用者が2,794万人。 インターネット利用人口の4割強がすでに携帯からも使っており、 4人に1人はパソコンと携帯の両方から使っていた。 日本のWebがパソコン向けと携帯向けに分かれたまま両方が伸びるという、 他国にあまり例のない状態が、この時点で数字としてはっきり見えている。 国際比較では、日本の6,942万人は米国の1億6,575万人に次いで世界第2位。 人口普及率54.5%は世界10位で、前年の16位から順位を上げた。 台数を数えていた1996年から6年で、日本は人数で語られる側の上位に来ていた。

この年のインターネット

2002年時点で日本から使えたサービスのカテゴリ。存在しなかった領域は表示していません。

掲示板コミュニティ検索ポータルツールニュースケータイホスティング個人サイトチャットメールショッピングオークション

2002年の主役

2002年のネット文化

19872008チャットルーム同じ時刻に集まった人どうしが、短い文を即時にやりとりする「部屋」。 パソコン通信の機能として始まり、個人サイトが自分の部屋を置く形へ広がった。 通信料が定額になる時間帯に人が集まるという、日本特有の集まり方をした場所でもある。19972008直リンク禁止他所のサイトの画像やファイルを自分のページから直接呼び出すことを禁じる注意書き。 個人サイトの「お約束」ページにほぼ必ず書かれていた。マナーの問題に見えて、 実際には転送量が有限で、しかも呼ばれた側だけが払うという料金の構造から生まれている。20002008Flash文化Flash で作られた短いアニメーションや音楽作品を、個人が公開して見せ合っていた文化。 常時接続が普及した2000年代前半に、ブラウザだけで動く映像表現として広がり、 Flash Player のサポート終了(2020年12月31日)で再生手段ごと失われた。19962008キリ番アクセスカウンタが10000などのきりのいい数字になったとき、その訪問者が申告して 記念のイラストや文章をもらう習慣。個人サイトの訪問者数が「数えられる規模」だった時代に、 数字そのものをイベントに変えた文化。19962006工事中ページ中身がまだ無いページに「工事中」と書いて公開しておく習慣。作業員やバリケードの アニメーションGIFが添えられることが多かった。未完成であることを隠さず、 むしろ表示していたという点に、当時のサイトの位置づけが表れている。19982010メールマガジン登録した購読者へ定期的にまとまった内容のメールを配信する仕組み。「メールマガジン」という呼称自体が 1990年代末に広まった和製英語で、英語圏では newsletter と呼ばれる。 個人が定期刊行物の発行人になれた、日本のネット史で最初の形式だった。19962007相互リンク個人サイト同士が互いにリンクを張り合う習慣。掲示板やメールで申請し、 了承を得てから張るという手続きを伴うことが多かった。検索エンジンが弱かった時代に、 サイトを見つける主要な経路そのものだった。19952004テレホタイムNTTのテレホーダイが適用される23時から翌朝8時までの時間帯。この9時間だけ通信料が定額になるため、 日本中のネット利用者が同じ時刻に一斉に接続した。掲示板もチャットも23時に人が現れるという、 料金制度が文化を作った例。19982005テキストサイト文章そのものを読ませることを主目的にした個人サイト。画像も動画も置けない、 あるいは置くと重すぎるという条件の下で、文体と改行と間の取り方だけで 読ませる技術が磨かれた。2000年前後の数年間に集中して現れた形式。

2002年の環境

スペック表ではありません。なぜ当時のWebがあの見た目・使い方だったのかを 理解するための前提です。

主流端末
デスクトップPC/ノートPC/携帯電話(iモード / EZweb / J-スカイ)
ブラウザ
Internet Explorer 6(Windows XP に同梱される形で広く使われた)/Netscape
回線
ADSL(最大1.5M〜8Mbps。8月以降は最大12Mbpsも)/ISDN 64kbps/ダイヤルアップ(自宅パソコンの44.9%)/ケーブルインターネット/FTTH(まだごく少数)
画面解像度
1024×768 が標準になりつつあった
携帯電話
iモード / EZweb / J-スカイ。携帯からの利用者は2,794万人
保存容量
CD-R/数十GBのHDD/登場し始めたUSBメモリ
主な検索手段
ディレクトリ型ポータルが入口として最も強かった時期。 全文検索の精度が上がり、目的が決まっているときは検索窓を使う習慣が広がり始めていた

2002年のネット人口

インターネット利用人口6942万人
平成14年末。対前年比24.1%増、1年で1,349万人増。人口普及率54.5%で初めて半数を超えた出典: (3)インターネットの着実な普及(平成15年版 情報通信白書)
自宅パソコンでブロードバンドを使う世帯の比率29.6%
平成14年末。前年末は14.9%。電話回線によるダイヤルアップは44.9%でまだ上回っていた出典: (1)世界最高水準のブロードバンド(平成15年版 情報通信白書)
DSL契約数702万契約
平成14年度末。1年で約3倍。平成13年7月以降は毎月30〜50万契約のペースで増加出典: (1)世界最高水準のブロードバンド(平成15年版 情報通信白書)
携帯電話等からのインターネット利用者数2794万人
平成14年末。パソコンからは5,722万人。4人に1人は両方から利用していた出典: (3)インターネットの着実な普及(平成15年版 情報通信白書)

2002年の画面

実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

bb.yahoo.co.jp(会員向けポータル)800px
会員向けブロードバンド・ポータル
映像/音楽/ゲーム/オンライン教育
動画コンテンツ(提携企業の配信)
ネットワーク対戦ゲーム
接続状況・回線速度の案内
課金・決済(コンテンツ料金をまとめて請求)
サポート・工事の案内
2002年の画面構造ダイヤルアップ時代のページが「軽さ」を最優先に作られていたのに対し、 ここでは映像・音楽・対戦ゲームが最初から一列に並んでいる。 つないでいる時間が課金されなくなったことで、 重いものを置いても読者が逃げないという前提に変わったことがそのまま画面に出ている。 もうひとつの要点は課金の欄で、コンテンツ料金を回線の請求にまとめる仕組みが ポータル側に組み込まれていた。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。常時接続を前提に、動画や音楽の帯を並べられるようになった最初期の画面構成※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
2ch.net(スレッド表示)800px
スレッドタイトル
前100 次100 最新50
書き込み
書き込み
書き込み
書き込む
2001年の画面構造装飾がほとんどなく、1ページに数百件の書き込みが並ぶ。これは手抜きではなく、 低速回線でも読める形を優先した結果である。等幅フォントで表示されることが前提だったため、 記号を組み合わせて絵を描くアスキーアートが機能した。 文字だけの制約が、逆に独自の表現を育てた例といえる。等幅フォントで表示されることを前提にした画面※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
auctions.yahoo.co.jp(商品ページ)800px
カテゴリ ヘルプ マイ・オークション
商品タイトル
出品画像
現在価格/残り時間/入札件数/出品者
入札する
入札履歴
商品の説明(出品者が書いた文章)
出品者の評価を見る
2001年の画面構造最も目立つ位置にあるのは写真でも説明でもなく、現在価格と残り時間である。 通販のページが「買うかどうか」を判断させる構成なのに対し、 ここは「今いくらで、あと何分か」を伝える構成になっている。 出品者の評価へのリンクが商品説明と同じ重みで置かれているのは、 相手が事業者ではなく見ず知らずの個人だったため。※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

当時のWebを見る

実際に保存された2002年のページは、外部のWebアーカイブで閲覧できます。 保存の有無はサービスごとに異なるため、各サービスのページから状態を確認してください。

サービス索引から探す

出典

  1. 公的資料(3)インターネットの着実な普及(平成15年版 情報通信白書)総務省
    平成14年末のインターネット利用人口6,942万人(対前年比24.1%増、1年で1,349万人増)、 人口普及率54.5%、世帯普及率60.5%→81.4%、企業98.4%、事業所79.1%、 パソコンから5,722万人・携帯電話等から2,794万人、 国別では米国1億6,575万人に次ぐ第2位、人口普及率は世界10位(前年16位)
    確認日: 2026-08-16
  2. 公的資料(1)世界最高水準のブロードバンド(平成15年版 情報通信白書)総務省
    平成14年末のブロードバンド利用人口1,955万人(人口普及率15.3%)、 自宅パソコンでのブロードバンド利用世帯14.9%→29.6%、電話回線ダイヤルアップ47.2%→44.9%、 ブロードバンド回線契約数943万契約(1年で約2.4倍)、DSL契約数702万契約(1年で約3倍)、 平成13年7月以降は毎月30〜50万契約のペースで増加、平成14年8月以降の最大12Mbps ADSL
    確認日: 2026-08-16
  3. 一次資料Yahoo! JAPANがブロードバンド・コンテンツ・ポータルを備えたISPサービス「Yahoo! BB」を公開 ADSL接続料が月額990円からソフトバンクグループ株式会社 2001-06-19
    ADSL接続990円+ISP1,290円=月額2,280円から、下り最大8Mbps・上り最大900kbps
    確認日: 2026-08-16
  4. 一次資料22年の歴史に幕。赤い袋で一世を風靡した「Yahoo! BB ADSL」が切り拓いた日本のブロードバンドソフトバンク株式会社 2024-03-25
    商用サービスの開始は2001年9月。他社のADSLは月額5,000〜6,000円程度だったこと
    確認日: 2026-08-16

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