INTERNET — 2001

2001年のインターネット

常時接続がまだ贅沢だった年

第2層 ブロードバンド化存在したサービス 17この年に開始 1この年に終了 1

2001年末のインターネット利用者数は5,593万人、人口普及率44.0%。前年から885万人増えている。 伸び率としては前年の74.0%増から落ち着いたが、この年に起きた変化は数の増加より質のほうが大きい。 ADSLが本格的に広がり始め、常時接続が現実的な選択肢になった。 この変化がもたらしたのは、単に速くなったということではない。 従量課金から定額へ、つないでいる時間を意識する生活から、意識しない生活への移行である。 つないでいる時間を気にしなくてよくなった瞬間、行動が変わった。 目的を決めてからつなぐのではなく、つながったまま何となく見る、という使い方が成立する。 ただし2001年は移行の途中である。ADSLを引けた人と、まだダイヤルアップの人が同時に存在し、 同じサイトを見ても体験がまったく違った。サイトを作る側はこの差に対応しなければならず、 画像は控えめに、Flashは使うとしても導入部だけに、という判断が続いていた。 ページの重さについて作り手が真剣に悩んだ最後の時期であり、 同時に、重いページを作ってもよくなる直前の時期でもある。 この年に始まった常時接続の普及が、翌年以降のブログ、動画、大容量の画像へ道を開いていく。

この年のインターネット

2001年時点で日本から使えたサービスのカテゴリ。存在しなかった領域は表示していません。

掲示板コミュニティショッピング検索ポータルツールニュースケータイホスティング個人サイト接続サービスチャットメールオークション

2001年の主役

この年に生まれたもの、消えたもの

2001年のネット文化

1997 — 2012着メロ携帯電話の着信音を、自分で選んだ曲に変える文化。 はじめは専門誌を見ながら自分で打ち込むものだったが、公式メニューから買えるようになり、 日本のネットで個人が少額を払う習慣を最初に作った領域になった。1987 — 2008チャットルーム同じ時刻に集まった人どうしが、短い文を即時にやりとりする「部屋」。 パソコン通信の機能として始まり、個人サイトが自分の部屋を置く形へ広がった。 通信料が定額になる時間帯に人が集まるという、日本特有の集まり方をした場所でもある。1997 — 2008直リンク禁止他所のサイトの画像やファイルを自分のページから直接呼び出すことを禁じる注意書き。 個人サイトの「お約束」ページにほぼ必ず書かれていた。マナーの問題に見えて、 実際には転送量が有限で、しかも呼ばれた側だけが払うという料金の構造から生まれている。2000 — 2008Flash文化Flash で作られた短いアニメーションや音楽作品を、個人が公開して見せ合っていた文化。 常時接続が普及した2000年代前半に、ブラウザだけで動く映像表現として広がり、 Flash Player のサポート終了(2020年12月31日)で再生手段ごと失われた。1996 — 2008キリ番アクセスカウンタが10000などのきりのいい数字になったとき、その訪問者が申告して 記念のイラストや文章をもらう習慣。個人サイトの訪問者数が「数えられる規模」だった時代に、 数字そのものをイベントに変えた文化。1996 — 2006工事中ページ中身がまだ無いページに「工事中」と書いて公開しておく習慣。作業員やバリケードの アニメーションGIFが添えられることが多かった。未完成であることを隠さず、 むしろ表示していたという点に、当時のサイトの位置づけが表れている。1998 — 2010メールマガジン登録した購読者へ定期的にまとまった内容のメールを配信する仕組み。「メールマガジン」という呼称自体が 1990年代末に広まった和製英語で、英語圏では newsletter と呼ばれる。 個人が定期刊行物の発行人になれた、日本のネット史で最初の形式だった。1996 — 2007相互リンク個人サイト同士が互いにリンクを張り合う習慣。掲示板やメールで申請し、 了承を得てから張るという手続きを伴うことが多かった。検索エンジンが弱かった時代に、 サイトを見つける主要な経路そのものだった。1995 — 2004テレホタイムNTTのテレホーダイが適用される23時から翌朝8時までの時間帯。この9時間だけ通信料が定額になるため、 日本中のネット利用者が同じ時刻に一斉に接続した。掲示板もチャットも23時に人が現れるという、 料金制度が文化を作った例。1998 — 2005テキストサイト文章そのものを読ませることを主目的にした個人サイト。画像も動画も置けない、 あるいは置くと重すぎるという条件の下で、文体と改行と間の取り方だけで 読ませる技術が磨かれた。2000年前後の数年間に集中して現れた形式。

2001年の環境

スペック表ではありません。なぜ当時のWebがあの見た目・使い方だったのかを 理解するための前提です。

主流端末
デスクトップPC/ノートPC
ブラウザ
Internet Explorer 5.5 / 6(圧倒的多数)/Netscape 4.7
回線
ADSL(普及が始まる)/ISDN 64kbps/ダイヤルアップ(アナログ 56kbps)
画面解像度
800×600 と 1024×768 が併存
携帯電話
iモード/EZweb/J-スカイ
保存容量
CD-R/20〜40GB前後のHDD
主な検索手段
ディレクトリ検索が主流。全文検索の精度が上がりつつあった

2001年のネット人口

2001年の画面

実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

レンタル掲示板(借りてきた部品)600px
提供元の広告(無料版の条件)
○○の掲示板 ── 管理人:○○
お名前 / メール / タイトル / 本文(入力欄)
投稿する
[1234] タイトル 投稿者:○○ 2001/○/○
└ Re: タイトル 投稿者:管理人
[1233] タイトル 投稿者:○○
[前の10件][次の10件][記事番号で検索][管理用]
提供元の広告
2001年の画面構造上下を広告に挟まれているのが、無料で借りる条件だった。 そしてドメインが自分のサイトと違う。 リンクを踏んだ瞬間に別のサイトへ移った感覚があり、 見た目も自分のページとは揃わない。 それでも使われたのは、掲示板を自分で設置するより桁違いに簡単だったからである。 管理人の返信が本文に混ざって並ぶのがこの形式の性格を示している。 管理人は上位の権限を持つが、画面上では一人の書き手として同じ列に並ぶ。 荒らしへの対応も、書き込みを消すのも、この人の判断だった。 数十人から数百人という規模だからこそ成立していた運用である。 右端の[管理用]が、その権限の入口にあたる。 借りた本人だけが入れる小さな管理画面があり、 そこで削除も禁止も設定した。 秩序を保つ仕組みが、サービスではなく個人の手元に置かれていた。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。自分のサイトとは別のドメインで開く。見た目も自分のサイトとは揃わない※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
2ch.net(スレッド表示)800px
スレッドタイトル
前100 次100 最新50
書き込み
書き込み
書き込み
書き込む
2001年の画面構造装飾がほとんどなく、1ページに数百件の書き込みが並ぶ。これは手抜きではなく、 低速回線でも読める形を優先した結果である。等幅フォントで表示されることが前提だったため、 記号を組み合わせて絵を描くアスキーアートが機能した。 文字だけの制約が、逆に独自の表現を育てた例といえる。等幅フォントで表示されることを前提にした画面※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
auctions.yahoo.co.jp(商品ページ)800px
カテゴリ ヘルプ マイ・オークション
商品タイトル
出品画像
現在価格/残り時間/入札件数/出品者
入札する
入札履歴
商品の説明(出品者が書いた文章)
出品者の評価を見る
2001年の画面構造最も目立つ位置にあるのは写真でも説明でもなく、現在価格と残り時間である。 通販のページが「買うかどうか」を判断させる構成なのに対し、 ここは「今いくらで、あと何分か」を伝える構成になっている。 出品者の評価へのリンクが商品説明と同じ重みで置かれているのは、 相手が事業者ではなく見ず知らずの個人だったため。※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
テキストサイトの本文ページ600px
サイト名(小さく、上端に固定)
更新日と、その日の題
本文(3〜4行)
本文(1行だけ置く)
本文(3〜4行)
本文(落とす一行)
前の日 / 目次 / 次の日
000000あなたは 012345 人目の訪問者です
掲示板 / メール / リンク集 / 過去ログ
2001年の画面構造この模式図で見てほしいのは、置いてあるものではなく置いていないものである。 画像も、見出しの装飾も、余白を作る飾りも無い。 それでも読ませるために使える道具は、改行と空行と1行の長さしか残っていない。 段落のあいだに空行が入り、ときどき1行だけが単独で置かれているのが要点になる。 ここが間であり、紙の文章には無い、画面を前提にした設計だった。 横幅を画面いっぱいに広げないのも同じ理由で、 1行が長すぎると目が次の行の頭に戻れなくなる。 下端にカウンタと掲示板が並ぶのは、反応が届く経路がこの二つしか無かったからである。 どちらも本文とは別の場所にあり、置くかどうかを書き手が選べた。 文章の下に反応が自動で並ぶ形式は、まだ存在していない。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。画面いっぱいに広げず、1行を短く保つために横幅を自分で絞っていた※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
「はじめにお読みください」ページ640px
はじめにお読みください
■ リンクについて(トップページへお願いします)
■ 画像の直リンクはご遠慮ください
■ 画像・文章の無断転載を禁じます
■ 掲示板でのお願い(初めての方は自己紹介を)
■ 推奨環境(800×600 / IE5以上 / JavaScript ON)
ご意見・ご感想はメールまたは掲示板へ
同意して入る / 戻る
2001年の画面構造規約ではなく「お願い」の形で書かれているのが、このページの性格を決めている。 法的な効力を主張しているわけではなく、 管理人が困ることを先に伝えておくという趣旨だった。 並んでいる項目は、どれも当時の技術的・経済的な制約に対応している。 直リンクは転送量の負担、推奨環境はブラウザ間の互換性、 掲示板の作法は管理人ひとりで秩序を保つための手当てである。 マナーの問題に見えるものの多くが、実際には誰がコストを払うかの問題だった。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。本文より先に読ませたい約束事を、1ページにまとめて置いた※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
メールマガジンの本文(等幅・全角35文字)560px
━━━━━━━━━━(罫線)━━━━━━━━━━
誌名/第○○号/発行日
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■ 今週の目次(1. … 2. … 3. …)
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■ 1. 本文
■ 編集後記
発行者/バックナンバー/購読の解除
2001年の画面構造装飾が使えないので、区切りは罫線と記号で作る。 全角35文字前後で手で改行するのは、受信側のソフトが折り返してくれるとは限らなかったためで、 読み手の環境を作り手が想定して整えるという作法がここにあった。 構成は紙の雑誌をそのまま持ち込んでいる。誌名と号数、目次、本文、編集後記、奥付。 末尾に必ず解除の案内が置かれるのは、 読者が自分で登録し、自分で降りられることがこの形式の前提だったからである。 個人が「創刊」を名乗れた最初の形式が、この見た目をしていた。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。HTMLではなくプレーンテキスト。全角35文字前後で手で改行するのが作法だった※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
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2001年の画面構造iモードの公式メニューと見た目はほとんど変わらない。番号を押して階層を降りる操作も同じ。 違いは利用者からは見えないところにあり、中身を記述する規格が別系統だったため、 サイトを作る側は同じ内容を二度用意する必要があった。 日本の携帯Webが開始直後から分裂していたことを示す画面である。iモードとほぼ同じ表示領域。違いは中身を記述する規格のほうにあった※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

当時のWebを見る

実際に保存された2001年のページは、外部のWebアーカイブで閲覧できます。 保存の有無はサービスごとに異なるため、各サービスのページから状態を確認してください。

サービス索引から探す

出典

  1. 公的資料平成14年版 情報通信白書 「1 我が国におけるインターネットの着実な普及」(総務省)
    平成13年末のインターネット利用者数5,593万人(前年比885万人増)、人口普及率44.0%
    確認日: 2026-08-15
  2. 報道NTT、「テレホーダイ」の提供を2024年で終了 90年代のインターネットを支えた長寿サービス(ITmedia NEWS) 2022-01-21
    常時接続の普及によりテレホーダイの利用者が減少していった経緯
    確認日: 2026-08-15

2001常時接続がまだ贅沢だった年
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