Yahoo! BB ADSL

終了ツールポータル20012024(23年)

2001年9月に始まったADSL接続サービス。他社が月額5,000〜6,000円だった市場に、 常時接続で月額2,280円・下り最大8Mbpsという条件を持ち込み、日本のブロードバンド料金を一段下げた。 赤い紙袋に入ったモデムの街頭配布でも知られる。2024年3月31日、22年で終了。

基本情報

サービス名
Yahoo! BB ADSLYahoo! BB、ヤフーBB、ヤフービービー
開始
20019月
2001年6月19日に発表、6月20日から予約受付、6月末に東京都区内で無料試験接続を開始し、 商用サービスは2001年9月から。発表時点の告知は「8月1日より本格展開」だった
終了
20243月31日
運営
ヤフー株式会社 / ソフトバンク株式会社(開始時の共同展開)(2001〜) → ソフトバンクBB株式会社(2003〜) → ソフトバンク株式会社
当時のURL
http://bb.yahoo.co.jp/
現在
終了(2026-08-16時点)

その時代の立ち位置

誰が使っていたか
ダイヤルアップで月に数千円から一万円を払っていた家庭。 「速いから」ではなく「つなぎっぱなしでこの値段なら」という理由で移った層が中心で、 パソコンに詳しくない人ほど乗り換えの動機がはっきりしていた
何のために
電話回線をそのまま使って常時接続にすること。工事で壁に穴を開ける必要がなく、 電話とインターネットを同時に使える。集合住宅でも管理組合の承認が要らない点が、 ケーブルインターネットとの実務上の差だった
何が新しかったか
速度ではなく値段の桁を変えたこと。ADSL回線990円+プロバイダ1,290円で月額2,280円。 当時の他社は月額5,000〜6,000円程度で、下り速度も最大8Mbpsは他社の4倍以上だった。 さらに、街頭や量販店にパラソルを立ててモデム入りの赤い紙袋を無償で配るという売り方をとり、 契約の窓口を店舗の外へ持ち出した
今でいう何か
格安SIMが携帯料金の相場を動かしたときの構図に近い。 後発が価格で殴り込み、追随した各社の値下げで市場全体の水準が変わるという順番まで同じ

Yahoo! BB ADSLを時間旅行する

デザインの変化を並べるだけではなく、なぜそう変わったのかを書いています。

  1. 2001値段が一桁ぶん動いた2001年のネットへ →

    2001年6月19日の発表内容は、ADSL接続990円、プロバイダ1,290円、合わせて月額2,280円。 下り最大8Mbps・上り最大900kbps。モデムとスプリッターのレンタルが月550円。 取り付け工事は8,800円だが先着100万名まで無料、という組み立てだった。 年内に会員100万人という目標も同時に公表されている。 この年の新語・流行語大賞では「ブロードバンド」がトップテンに入った。 値段が下がったから普及した、という順序がはっきり見える珍しい例である。

    常時接続定額電話と同時利用会員向けブロードバンド・ポータル
    bb.yahoo.co.jp(会員向けポータル)800px
    会員向けブロードバンド・ポータル
    映像/音楽/ゲーム/オンライン教育
    動画コンテンツ(提携企業の配信)
    ネットワーク対戦ゲーム
    接続状況・回線速度の案内
    課金・決済(コンテンツ料金をまとめて請求)
    サポート・工事の案内
    2002年の画面構造ダイヤルアップ時代のページが「軽さ」を最優先に作られていたのに対し、 ここでは映像・音楽・対戦ゲームが最初から一列に並んでいる。 つないでいる時間が課金されなくなったことで、 重いものを置いても読者が逃げないという前提に変わったことがそのまま画面に出ている。 もうひとつの要点は課金の欄で、コンテンツ料金を回線の請求にまとめる仕組みが ポータル側に組み込まれていた。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。常時接続を前提に、動画や音楽の帯を並べられるようになった最初期の画面構成※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
  2. 2003赤い紙袋を街で配る2003年のネットへ →

    赤と白のパラソルを立てたブースを路上や大型店舗に置き、 モデムの入った赤い紙袋を無償で配る。「パラソル隊」と呼ばれたこの売り方は、 もともとサイト上でやっていたモデムレンタル無料キャンペーンを、 人が通る場所へ持ち出したものだった。 インターネットの契約が、インターネットの外で取られていたという点が、 この時期を象徴している。回線を売るのに、駅前でモノを配るのが最も効いた。 サービス開始からおよそ2年半で、ADSL利用者のシェア35%以上を占める1位になっている。

  3. 2024役目が終わって畳まれた

    2024年3月31日、22年の提供を終えた。利用者が離れて消えたのではなく、 同じ「常時接続・高速・低価格」をより高い水準で満たす光回線へ、 需要ごと移った結果である。 当時を担当した社員は、常時接続・高速通信・低価格が当たり前になったこと自体を このサービスの成果として振り返っている。 自分が広めた条件に追い越されて終わるという、インフラらしい終わり方だった。

なぜ終わったのか

ADSLは電話用の銅線をそのまま使う技術で、電話局から遠いほど速度が落ちるという性質を最後まで抱えていた。 光ファイバーが同じ「常時接続・定額」をより高い速度と安定性で提供できるようになると、 ADSLが選ばれる理由は、光がまだ来ていない地域と、乗り換えの手間を避けたい利用者に限られていく。 Yahoo! BB ADSL が持ち込んだ条件そのもの――つなぎっぱなしで、速く、安い――は ブロードバンドの標準になり、それを満たす手段がADSLである必要が無くなった。 2024年3月31日の終了は、需要の消滅ではなく手段の入れ替えである。

系譜

同じ時代にあったもの

関わりの深い文化と用語

覚えていますか?

Yahoo! BB ADSLを使っていましたか?

回答は匿名で記録されます。個人を特定する情報は保存しません。

当時のページを見る

実際に保存された過去のページは外部のWebアーカイブにあります。保存されていることを保証するものではありません。

保存状況: 未確認 会員向けのポータルは認証の内側にあったため、外から見える範囲は入口と案内に限られる

この時代のインターネットへ

Yahoo! BB ADSLだけを見ても、当時の空気は分かりません。同じころ何が存在していたかを見てください。

出典

  1. 一次資料Yahoo! JAPANがブロードバンド・コンテンツ・ポータルを備えたISPサービス「Yahoo! BB」を公開 ADSL接続料が月額990円からソフトバンクグループ株式会社 2001-06-19
    ADSL接続990円+ISP1,290円=月額2,280円から、下り最大8Mbps・上り最大900kbps、 モデム500円+スプリッター50円のレンタル、取り付け工事8,800円(先着100万名無料)、 6月20日予約受付開始・6月末から東京都区内で無料試験接続・8月1日から商用展開の予定、 2001年末までに会員100万人という目標、会員向けブロードバンド・コンテンツ・ポータルの提供
    確認日: 2026-08-16
  2. 一次資料22年の歴史に幕。赤い袋で一世を風靡した「Yahoo! BB ADSL」が切り拓いた日本のブロードバンドソフトバンク株式会社 2024-03-25
    商用サービスの開始は2001年9月、終了は2024年3月31日で22年間。 他社のADSLは月額5,000〜6,000円程度で、Yahoo! BBは月額定額2,280円(税別)。 下り最大8Mbps・上り最大900kbpsで他社の4倍以上。開始からおよそ2年半でADSL利用者シェア35%以上の1位。 パラソル隊による赤い紙袋のモデム無償配布。2001年の新語・流行語大賞で「ブロードバンド」がトップテン入賞。 2003年1月にソフトバンクBB株式会社設立
    確認日: 2026-08-16
  3. 公的資料(1)世界最高水準のブロードバンド(平成15年版 情報通信白書)総務省
    平成14年度末のDSL契約数702万契約(1年で約3倍)、ブロードバンド回線契約数943万契約、 平成13年7月以降は毎月30〜50万のペースで増加したこと
    確認日: 2026-08-16

このページの記載は 2026-08-16 時点の調査に基づきます。誤りのご指摘・情報提供