テレホタイム

1995 — 2004最盛期 1998〜2001テレホーダイテレホ

NTTのテレホーダイが適用される23時から翌朝8時までの時間帯。この9時間だけ通信料が定額になるため、 日本中のネット利用者が同じ時刻に一斉に接続した。掲示板もチャットも23時に人が現れるという、 料金制度が文化を作った例。

なぜ当時あたりまえだったのか

1995年8月に始まったテレホーダイは、あらかじめ指定した電話番号への通話が、 23時から翌朝8時までのあいだ定額になるサービスだった。 当時のインターネット接続は電話回線を使う従量課金であり、昼間に長時間つなぐと 通信料が家計を圧迫する水準になった。定額になる9時間だけつなぐという行動は、 節約というより現実的にほぼ唯一の選択肢だった。 結果として起きたのは、利用時間の極端な集中である。個人利用者の多くが ほぼ同じ時刻に接続し、ほぼ同じ時刻に切断した。 掲示板の書き込みは23時台に急増し、チャットは23時にならないと人が集まらず、 サイトの更新は深夜に行われた。 当時の利用者に「夜のインターネット」という共通の感覚があるのは、 嗜好の問題ではなく料金制度の帰結である。

アクセスポイント一覧(つなぐ前に見る画面)640px
アクセスポイント一覧
※ お住まいの地域から区域内通話でかけられるかをご確認ください
都道府県/設置場所/電話番号
※ 区域内通話の区域外からは、通話料金が別途かかります
※ アクセスポイントは予告なく追加・変更・廃止されることがあります
接続設定の手順 / よくあるご質問 / サポート窓口
1996年の画面構造料金表ではなく電話番号の一覧が、契約を決める資料だった。 月額料金が同じでも、自分の住所から区域内通話で届く番号があるかどうかで、 実際に払う額がまったく違ってくる。 1996年10月現在、ダイヤルアップIP接続用のアクセスポイントは全国に282か所。 全国3,255市町村のうち区域内通話でつなげたのは2,126市町村で、 残りの約3分の1は、つなぐたびに市外通話の料金が乗った。 下の但し書きも当時の性格を示している。 一覧は固定されておらず、追加も廃止もある。 利用者は接続先の番号を自分で管理し、変わるたびに設定を直していた。 いまの回線契約に「どこへ電話をかけるか」という項目は無い。 つなぐという作業が利用者の側に残っていたことが、この一枚に出ている。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。契約前に確認し、契約後も手元に置いておく一覧。紙で配られることも多かった※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

なぜ消えたのか

ADSLによる常時接続と定額制が普及し、時間帯を選ぶ理由が消えた。 つなぐという行為自体がなくなり、常につながっている状態が標準になったことで、 同時刻に人が集まるという現象も解消された。 テレホーダイ自体はその後も長く提供が続いたが、利用者は減り続け、 固定電話網のIP網への移行にともなって2024年1月に提供を終了した。 28年の歴史の後半は、すでに役目を終えたサービスとして残っていた期間だった。

今でいうと何か

正確に対応するものがない。強いて言えばライブ配信や同時視聴のように時刻を共有する体験だが、 当時は特定のサービスではなくインターネット全体が同じ時刻に動いていた

※ 完全に同じものではありません。機能や文化の系譜として近いものを挙げています。

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この文化があった時代へ

出典

  1. 報道NTT、「テレホーダイ」の提供を2024年で終了 90年代のインターネットを支えた長寿サービス(ITmedia NEWS) 2022-01-21
    テレホーダイの提供終了と、90年代のインターネット利用を支えた位置づけ
    確認日: 2026-08-15
  2. 公的資料平成13年版 情報通信白書 「1 インターネットの急速な普及」(総務省)
    ダイヤルアップ接続が主流だった時期の利用実態
    確認日: 2026-08-15

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