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黎明期

電話回線でつなぎ、つないでいる間ずっと課金される時代。ページは軽さを最優先に作られ、 情報を探す手段は人の手で分類されたディレクトリだった。個人が自分のページを持つことが、 そのまま「インターネットをする」ことだった層。

ダイヤルアップテレホーダイ個人ホームページディレクトリ検索掲示板テキストサイト

この層で何が変わったか

この層を決定づけたのは、通信が「従量制」だったことである。電話回線を使い、つないでいる時間だけ 料金が発生するため、ページは軽くなければならず、閲覧者は目的のページへ最短で辿り着く必要があった。 画像を減らし、テキストを詰め、リンクを整理するという当時の作法は、美意識ではなく通信料金の帰結だった。 情報の探し方も同じ制約の下にある。全文検索の精度がまだ低く、無駄な回遊が直接コストになる環境では、 人の手で分類されたディレクトリのほうが合理的だった。そして、企業がまだWebを本格的に使っていない 時期だったため、コンテンツの多くは個人が無料スペースに置いたページで占められていた。 「ホームページを持つ」ことがインターネットを使うこととほぼ同義だった、最初で最後の層である。

この層のデザイン言語

テーブルレイアウトフレーム背景タイル画像アニメーションGIF青いリンクアクセスカウンタ

この層の年

この層の主役

この層の画面

実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

www.geocities.co.jp/.../1234/800px
タイトル画像(自作GIF)
いらっしゃいませ!
メニュー
更新履歴
自己紹介
リンク集(相互リンク)
工事中
000000あなたは○○人目の訪問者です
BBS(掲示板)
1999年の画面構造タイトル画像、更新履歴、自己紹介、リンク集、工事中表示、そして最下部のアクセスカウンタ。 この並びが個人サイトのほぼ標準構成だった。カウンタが訪問者にも見えていたことが、 キリ番という交流の儀礼を成立させている。工事中表示が普通だったのは、 サイトを一度に完成させてから公開するという前提があったためである。背景に画像をタイル状に敷き詰めるのが標準的だった※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
www.yahoo.co.jp800px
カテゴリ
カテゴリ
新着情報
バナー広告 468×60
1997年の画面構造画像はロゴとバナーだけで、残りはすべてテキストリンク。カテゴリを2段組で並べ、 その下に新着情報が続く。ダイヤルアップの従量課金では、重いページは「遅い」ではなく「高い」ページだった。 軽さは美意識ではなく利用者の財布の都合であり、当時のレイアウトはその制約から逆算されている。800×600 のディスプレイを前提にした、横スクロールの出ない固定幅※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
iMenu(iモード公式メニュー)120px
iMenu
1 メニューリスト
2 料金照会
3 メール設定
4 お知らせ
ニュース/天気
着信メロディ
乗換案内
2000年の画面構造項目の頭に番号が振ってあるのは、カーソルで降りていくより数字キーを1回押すほうが速いからである。 片手で、歩きながら、数秒で目的に着く必要があった。 検索窓が無いのは技術的な制約ではなく、審査を通った公式サイトを階層で並べるという設計思想の結果で、 自由に広がるパソコンのWebとは前提そのものが違っていた。全角十数文字が数行という表示領域。横スクロールという概念自体が無い※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

この層で始まったサービス

この層のネット文化

出典

  1. 公的資料平成13年版 情報通信白書 「1 インターネットの急速な普及」総務省
    平成12年末のインターネット利用者数4,708万人、一般世帯普及率34.0%。前年比74.0%増という伸び方が、この層の末期の急拡大を示す
    確認日: 2026-08-15