INTERNET — 2010

2010年のインターネット

数が伸びなくなり、中身が入れ替わりはじめた年

第4層 スマートフォン化存在したサービス 26この年に開始 1

2010年末のインターネット利用者数は9,462万人、人口普及率78.2%。 前年からの伸びは0.6%増、普及率は0.2ポイント増にとどまっている。 2000年に74.0%増、2001年に885万人増という伸び方をしていたことを考えると、 この年に起きたのは明確な飽和である。 数が止まったこの時期から、変化は「誰が使うか」ではなく「どう使うか」に移った。 端末別の内訳を見ると、パソコンからの利用が7,878万人、携帯電話からが8,706万人で、 携帯電話のほうがパソコンより多い。日本ではこの逆転が数年前から続いていたが、 この年に決定的だったのは、その携帯電話の中身が入れ替わりはじめたことである。 スマートフォンが本格的に普及に入り、それまでのガラケー向けWebが役目を失っていく。 画面が広くなり、パソコン向けのページがそのまま読めるようになった時点で、 携帯専用のページを別に作る理由が消えた。同時に、細かいリンクを敷き詰めた ポータル型のレイアウトが指では操作できないという問題が表面化する。 要素は大きく、少なく、縦に並ぶ方向へ一斉に動きはじめた。 発信の側でも節目があった。3月1日、mixiが招待制を廃止し、 招待状がなくても登録できるようになっている。 成長のために必要な変更だったが、同時に「知っている人から招待されないと入れない」という 最大の特徴を手放すことでもあった。閉じた場所で長く書く形式から、 開かれた場所へ短く流す形式へ、発信の重心が移っていく。

この年のインターネット

2010年時点で日本から使えたサービスのカテゴリ。存在しなかった領域は表示していません。

掲示板コミュニティショッピング検索ポータルツールニュースケータイSNSホスティング個人サイトゲームブログ接続サービス写真動画オークション

2010年の主役

この年に生まれたもの、消えたもの

この年に終わった

記録されているものはありません。

2010年のネット文化

2010年の環境

スペック表ではありません。なぜ当時のWebがあの見た目・使い方だったのかを 理解するための前提です。

主流端末
デスクトップPC/ノートPC/ガラケー/スマートフォン(普及期に入る)
ブラウザ
Internet Explorer 8/Firefox 3.x/Google Chrome(急速にシェアを伸ばしていた)
回線
光ファイバー(主流化)/ADSL(減少)/3G(携帯・定額制が一般化)
画面解像度
1366×768 のノートPCが標準。スマートフォンは 320×480 前後
携帯電話
iモード/EZweb/Yahoo!ケータイ/スマートフォン(Android / iPhone)
保存容量
500GB〜1TBのHDD/オンラインストレージの利用が始まる
主な検索手段
全文検索が完全に主流。SNS内での検索が併用されはじめる

2010年のネット人口

インターネット利用者数9462万人
平成22年末。前年比わずか0.6%増で、伸びが止まった/出典: 平成23年版 情報通信白書 「インターネットの利用状況」
人口普及率78.2%
携帯電話から利用した人8706万人
前年比2.3%増。パソコン(7,878万人)を上回る/出典: 平成23年版 情報通信白書 「インターネットの利用状況」
パソコンから利用した人7878万人

2010年の画面

実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

Facebook の投稿欄とニュースフィード960px
検索/ホーム/プロフィール/アカウント
顔写真
実名
ニュースフィード/メッセージ/イベント/友達
「いまなにしてる?」入力欄
[投稿] [公開範囲 ▼ 全員/友達/カスタム]
友達の投稿(実名+顔写真+本文)
いいね! / コメント / シェア
友達の投稿(写真アルバムを追加しました)
いいね! / コメント / シェア
広告
知り合いかも
2010年の画面構造この画面でいちばん日本のSNSと違ったのは、投稿ボタンの隣にある公開範囲の選択だった。 設定画面に一度だけ入って決めるのではなく、 書くたびにその場で「誰に見せるか」を選ぶ。 電話番号や住所や出身校まで登録できる前提とセットで、 どこまで出すかを項目ごとに刻むという設計思想がここに出ている。 その前提が実名である。実名で登録し、実際に知っている相手とつながる。 日本のネットはこの時点ですでに、 パソコン通信のハンドルから匿名掲示板の名無しまで、 名乗りを薄くする方向に20年積み上げてきたあとだった。 同じ画面が、来た土地によって別の意味を持つ例といえる。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。3カラム。左に自分、中央に流れてくるもの、右に広告という配置※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
mixi.jp(ホーム)1024px
ホーム 日記 コミュニティ
プロフィール画像
マイミクシィ
あしあと
最新の日記
コミュニティの新着
広告
おすすめ
2005年の画面構造中心にあるのは日記で、その周りに人間関係が配置されている。 左の「あしあと」は誰が自分のページを見たかの一覧で、読むだけでも相手に伝わった。 この設計は交流を促進する一方、見たのに反応しないことが気まずいという独特の緊張も生んだ。 角丸と淡い配色は、当時Web 2.0と呼ばれた視覚言語である。※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
iMenu(iモード公式メニュー)120px
iMenu
1 メニューリスト
2 料金照会
3 メール設定
4 お知らせ
ニュース/天気
着信メロディ
乗換案内
2000年の画面構造項目の頭に番号が振ってあるのは、カーソルで降りていくより数字キーを1回押すほうが速いからである。 片手で、歩きながら、数秒で目的に着く必要があった。 検索窓が無いのは技術的な制約ではなく、審査を通った公式サイトを階層で並べるという設計思想の結果で、 自由に広がるパソコンのWebとは前提そのものが違っていた。全角十数文字が数行という表示領域。横スクロールという概念自体が無い※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
www.nicovideo.jp(動画視聴ページ)1024px
ランキング 検索 マイリスト
流れるコメント
動画(この上をコメントが流れる)
動画の説明
タグ
コメント一覧
2007年の画面構造通常の動画サイトが動画とコメント欄を上下に分けるのに対し、ニコニコはそれを重ねた。 右のコメント一覧は補助で、体験の中心は動画の上を流れる文字のほうにある。 別々の日に書かれた反応が同じ場面で同時に現れるため、非同期なのに同時に見ているように感じられた。※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
twitter.com(タイムライン)900px
ホーム/@つながり/検索
投稿欄(いま何してる?/残り文字数)
ハンドル+短文+相対時刻(3分前)
ハンドル+短文+相対時刻
ハンドル+短文(他人の投稿の引用)
ハンドル+短文+相対時刻
もっと読む
プロフィール(フォロー/フォロワーの数)
トレンド
おすすめのユーザー
2010年の画面構造掲示板がスレッドという器を先に用意し、SNSが相互の承認を先に求めたのに対し、 ここには選ぶ工程が画面上に無い。 投稿欄のすぐ下に、購読している相手の発言が時刻順にそのまま流れてくる。 何を読むかは、読む前ではなくフォローした時点で決まっている。 右側のトレンドとおすすめは、その選択を後から補正するために置かれた枠である。 相対時刻(「3分前」)が使われているのも、 過去を辿るのではなくいまを見る画面だったことの現れといえる。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。本文の1カラムと、右側の補助情報。読む対象を選ぶ操作が画面上に無い※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

当時のWebを見る

実際に保存された2010年のページは、外部のWebアーカイブで閲覧できます。 保存の有無はサービスごとに異なるため、各サービスのページから状態を確認してください。

サービス索引から探す

出典

  1. 公的資料平成23年版 情報通信白書 「インターネットの利用状況」(総務省)
    平成22年末のインターネット利用者数9,462万人(前年比0.6%増)、人口普及率78.2%(前年比0.2ポイント増)。 端末別ではパソコン7,878万人(前年比1.7%増)、携帯電話8,706万人(前年比2.3%増)
    確認日: 2026-08-16
  2. 一次資料おかげさまでmixi20周年!(mixi 年表)(株式会社MIXI)
    2010年3月1日に招待制を廃止、同年5月31日にスマートフォン版「mixi Touch」開始、4月に会員2,000万人超
    確認日: 2026-08-16
  3. 一次資料「FOMA」および「iモード」サービス終了のご案内(株式会社NTTドコモ)
    4G・5Gの普及による利用者減少という、この時期から始まる構造変化の帰結
    確認日: 2026-08-16

2010数が伸びなくなり、中身が入れ替わりはじめた年
19952023