LAYER 6 — 2022〜
生成AI時代
検索結果のリンクを開く前に、答えが返ってくるようになった層。 Webページを「読みに行く」という前提そのものが揺らいでいる、現在進行形の地層。 ここで起きていることは、数年後にはこのサイトの展示対象になる。
この層で何が変わったか
これまでの地層はすべて「どうやってページに辿り着くか」の変化だった。 ディレクトリで分類し、全文検索で探し、フィードで受け取る。手段は変わっても、 最終的にページを開くという前提は共通していた。 この層で揺らいでいるのはその前提のほうである。質問すると、ページを開かずに答えが返る。 Webページは読まれる対象から、答えを組み立てるための材料へ位置づけが移りつつある。 この変化がどこへ着地するかはまだ分からない。ただ、過去の地層がすべてそうだったように、 今あたりまえに見えているものの多くは、いずれ「そういう時代があった」と説明される側に回る。 このサイトが現在を記録している理由はそこにある。 この層の起点を2022年に置いたのは、同年11月30日(米国時間)にChatGPTが公開され、 5日で利用者が100万人に達したためである。 日本語でもそのまま使えたことが、この国での広がり方を早めている。 過去の海外サービスは日本語化の工程を挟んでから普及したが、 ここでは訳す対象が画面ではなく答えの側にあったため、その工程が要らなかった。 前の層との境目については、[アルゴリズム化の層](/layer/algorithm)の側に理由を書いた。 ここで書けるのは、その境目のこちら側から見た形のほうである。 工程が一つ減ったのではなく、工程の終点が移った。 これまでインターネットを使うとは、最終的に誰かが書いたページに着くことだった。 いまは着かずに済む場面がある。 なお、この層だけは終わりを書けない。 過去の5層は、何が残り何が消えたかを後から知っている状態で書いている。 この層についてだけ、我々はその立場にいない。 いま当たり前に見えているものの、どれが後から「そういう時代があった」と 説明される側に回るのかは、まだ決まっていない。