INTERNET — 2018

2018年のインターネット

7割が不安を感じながら使っていた

第5層 アルゴリズム化存在したサービス 20

2018年の個人のインターネット利用率は79.8%。 端末別ではスマートフォンが59.5%で、パソコンの48.2%を11.3ポイント上回っている。 前年に順位が入れ替わったばかりの差が、1年で倍近くに開いた。 13歳から59歳までは各階層で9割を超え、都道府県別でも40の県でスマートフォン利用率が50%を超えた。 ただしこの普及率そのものを年ごとの増減として読まないほうがよい。 同じ調査の数字を並べると、2016年83.5%、2017年80.9%、2018年79.8%と下がり、 翌2019年には89.8%へ跳ね、2020年には83.4%へ戻る。 総務省自身が白書の脚注で、令和元年(2019年)調査について 「調査票の設計が一部例年と異なっていたため、経年比較に際しては注意が必要」と述べている。 したがって単年の増減を根拠に使わない。 この年について確かなのは、13〜59歳の各階層が9割を超えているという飽和の形のほうである。 伸びしろが無くなった年の数字として面白いのは、普及ではなく不安のほうである。 同じ調査で、インターネットを利用している12歳以上のうち 「不安を感じる」「どちらかといえば不安を感じる」と答えた人が合わせて70.7%に達している。 内容の内訳は、「個人情報やインターネット利用履歴の漏えい」84.6%、 「コンピュータウイルスへの感染」65.7%、「架空請求やインターネットを利用した詐欺」48.3%。 そして「電子決済の信頼性」が37.8%で、前年から4.6ポイント上がっている。 この並びは、20年前と正反対になっている。 1990年代の個人サイトでは、管理人が自分でメールアドレスを載せ、 掲示板に本名に近いハンドルで書き、 訪問者に「はじめにお読みください」と作法を伝えていた。 情報を出すことは参加の条件であって、リスクとしては数えられていない。 同じ行為が、20年で「漏えい」という語で語られるようになった。 変わったのは意識だけではない。出す相手の数え方が変わっている。 個人サイトの時代、訪れた人の数はカウンタとして画面に表示されていた。 出す相手の規模が、書いている本人にも読者にも見えていたということである。 2018年に個人が情報を渡している相手は、利用しているサービスの運営と、 そこに紐づく広告や解析の事業者を含み、表示される数字がどこにも無い不安の中身が「誰に見られるか」から「どこまで渡っているか分からない」へ移ったことが、 1位が漏えいである理由に近い。 それでも使う、という点がこの年の性格を決めている。 何らかのセキュリティ対策を行っている世帯は68.5%で、 主な対策は「セキュリティ対策ソフトの導入もしくは更新」53.4%だった。 ここで不安の70.7%と対策の68.5%を並べたくなるが、 前者は12歳以上の個人、後者は世帯が母数なので、そのまま引き算はできない。 言えるのは、不安が広く共有された状態のまま利用率が下がっていないという一点である。 決済の内訳にも同じ形が出ている。 クレジットカード払いは74.7%で、2016年の69.5%から5.2ポイント上昇した。 電子決済の信頼性への不安が上がった年に、 カードで払う人はむしろ増えている。 不安と利用は、この時期すでに別々に動くものになっていた。

この年のインターネット

2018年時点で日本から使えたサービスのカテゴリ。存在しなかった領域は表示していません。

掲示板コミュニティ検索ポータルツールニュースケータイSNSホスティング個人サイトゲーム接続サービス写真チャット動画ショッピングオークション

2018年の主役

2018年のネット文化

2018年の環境

スペック表ではありません。なぜ当時のWebがあの見た目・使い方だったのかを 理解するための前提です。

主流端末
スマートフォン(利用率59.5%)/パソコン(利用率48.2%)/タブレット型端末
ブラウザ
Google Chrome/Mobile Safari/Microsoft Edge
回線
FTTH/LTE/公衆無線LAN
画面解像度
スマートフォン優先の設計が既定。パソコン向けは縮小して当てる作り方が主流
携帯電話
スマートフォン59.5%がパソコン48.2%を11.3ポイント上回る/40の都道府県でスマートフォン利用率が50%超/地方別で最も高い南関東はインターネット利用率85.4%・スマートフォン利用率66.1%
保存容量
クラウド既定。端末を買い替えても中身が引き継がれることが前提になった
主な検索手段
検索・SNS・推薦フィードが並存。同時に、渡した情報がどこまで使われるかへの関心が高まった時期

2018年のネット人口

インターネット利用率(個人)79.8%
2018年。13〜59歳は各階層で9割超、所属世帯年収400万円以上の各階層で8割超出典: インターネットの利用状況(令和元年版 情報通信白書)
スマートフォンからの利用率59.5%
パソコン48.2%を11.3ポイント上回る。40の都道府県でスマートフォン利用率が50%超出典: インターネットの利用状況(令和元年版 情報通信白書)
利用していて不安を感じる人の割合70.7%
インターネットを利用している12歳以上の個人のうち「不安を感じる」 「どちらかといえば不安を感じる」の合計出典: 安全なインターネットの利用に向けた課題(令和元年版 情報通信白書)
不安の内容1位「個人情報や利用履歴の漏えい」84.6%
次いでウイルス感染65.7%、架空請求や詐欺48.3%、電子決済の信頼性37.8%(前年比4.6ポイント増)出典: 安全なインターネットの利用に向けた課題(令和元年版 情報通信白書)
何らかのセキュリティ対策を行っている世帯68.5%
対策ソフトの導入・更新53.4%、対策サービスの新規契約・更新24.2%。 不安の70.7%とは母数が違う(個人と世帯)ので直接は比較できない出典: 安全なインターネットの利用に向けた課題(令和元年版 情報通信白書)

2018年の画面

実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

Instagram の投稿画面(正方形に切って、選ぶ)375px
< 戻る  新規投稿  次へ >
正方形に切り取られた写真
フィルターを選ぶ(横に並んだ小さな見本を左右に送る)
フィルター / 編集(明るさ・彩度・傾き)
キャプション
#ハッシュタグ #ハッシュタグ #ハッシュタグ
場所を追加 / 人物をタグ付け
シェアする
2017年の画面構造完成までの工程が選ぶだけで終わるのがこの画面の要点である。 正方形に切る、見本を送ってフィルターを決める、投稿する。 構図を考える段階も、書く段階も、必須ではない。 当時のスマートフォンのカメラは解像度が高くなかったが、 フィルターは粗さを隠すのではなく様式に変えるので、 うまく撮れないことが不利にならなかった。 正方形という制約も効いている。一枚を鑑賞させる形ではなく、 格子に並べたときに揃う形であり、 投稿は最初から一覧の一マスとして設計されている。 下部のハッシュタグは、後から性格を変えた部分である。 当初は分類の印だったものが、日本では探すための入口になり、 ハッシュタグ検索の回数は世界平均の3倍に達した。 言葉で引く検索から、写真で引く検索へ移った場所がここにある。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。縦長のスマートフォン画面。パソコンで作る工程が一つも無い※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
LINE(スマートフォンのトーク画面)320px
< 友だちリスト|相手の名前
相手の発言(左寄せの吹き出し)
自分の発言(右寄せの吹き出し・既読表示)
送信した画像
相手の発言
メッセージ入力欄
送信
スタンプ/画像/位置情報
2011年の画面構造発言が左右に振り分けられた吹き出しで積まれる形式は、掲示板ともチャットルームとも違う。 掲示板は誰の発言かを名前で示し、チャットルームは行頭にハンドルを置いた。 ここでは位置と色だけで話者を区別するため、名前を書く必要がない。 相手が特定されている会話にしか使えない代わりに、1行あたりの文字数を最大限に使える。 画面の狭さと、相手が既知であることの両方が、この形を決めている。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。指で押す前提の画面。1画面に収める代わりに、階層を浅くして戻る回数を減らす※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
まとめ記事(引用の積み重ね)720px
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煽り気味の見出し
引用(元の書き込み1)
引用(元の書き込み2)
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引用(元の書き込み3)
まとめた人の一言(数行)
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関連記事(同じサイト内へ戻す導線)
2015年の画面構造自分で書いた文はごくわずかで、画面のほとんどが引用と広告で埋まっている。 この配置は手抜きではなく設計である。 書く手間をかけずに縦に長いページを作れば、 読者がスクロールする回数だけ広告の表示が増える。 もうひとつの要点は末尾の関連記事で、 読み終えた人を外へ出さず同じサイト内へ戻す。 読み物として完結させないほうが、指標の上では成績が良くなる。 元の書き手には何も返らないまま、並べ直した側だけが収入を得るという構造が、 そのまま画面の形になっている。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。スマートフォンで縦に読み進める前提。1画面に1〜2件だけが入る密度※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

当時のWebを見る

実際に保存された2018年のページは、外部のWebアーカイブで閲覧できます。 保存の有無はサービスごとに異なるため、各サービスのページから状態を確認してください。

サービス索引から探す

出典

  1. 公的資料インターネットの利用状況(令和元年版 情報通信白書)総務省
    2018年のインターネット利用率(個人)79.8%、端末別で「スマートフォン」59.5%が 「パソコン」48.2%を11.3ポイント上回ること、13〜59歳は各階層で9割超、 所属世帯年収400万円以上の各階層で8割超、40の都道府県でスマートフォン利用率が50%超、 地方別で最も高い南関東はインターネット利用率85.4%・スマートフォン利用率66.1%、 購入時の決済はクレジットカード払い74.7%・コンビニ43.0%・代金引換32.7%・銀行等27.5%
    確認日: 2026-08-17
  2. 公的資料安全なインターネットの利用に向けた課題(令和元年版 情報通信白書)総務省
    インターネットを利用している12歳以上の個人のうち「不安を感じる」または 「どちらかといえば不安を感じる」と回答した割合が合わせて70.7%であること。 不安の内容は「個人情報やインターネット利用履歴の漏えい」84.6%、 「コンピュータウイルスへの感染」65.7%、「架空請求やインターネットを利用した詐欺」48.3%、 「電子決済の信頼性」37.8%(4.6ポイント上昇)。 世帯でスマートフォンの被害経験1位は迷惑メール・架空請求メールの受信58.2%。 何らかの情報セキュリティ対策を行っている世帯は68.5%、 対策ソフトの導入もしくは更新53.4%、対策サービスの新規契約もしくは更新24.2%。 2018年中の不正アクセス禁止法違反事件の検挙件数は564件で前年より84件減少
    確認日: 2026-08-17
  3. 公的資料インターネットの普及状況(平成29年版 情報通信白書)総務省
    比較の起点となる2016年の数字。購入時の決済はクレジットカード払い69.5%で、 2018年の74.7%との差は5.2ポイント
    確認日: 2026-08-17
  4. 公的資料インターネットの利用状況(令和2年版 情報通信白書)総務省
    翌2019年のインターネット利用率(個人)は89.8%で、 端末別は「スマートフォン」63.3%が「パソコン」50.4%を12.9ポイント上回ること
    確認日: 2026-08-17
  5. 公的資料インターネットの利用状況(令和3年版 情報通信白書)総務省
    2020年のインターネット利用率(個人)は83.4%であること。 同ページの脚注に「令和元年調査の調査票の設計が一部例年と異なっていたため、 経年比較に際しては注意が必要」とあり、この注記は令和3年版以降の各版に付いている
    確認日: 2026-08-17
  6. 書籍・後年の記事アクセスカウンタとは ── IT用語辞典 e-Wordse-Words
    2000年頃に個人 Web サイトなどに掲載され、HTMLファイル中の記述した位置に 現在のアクセス回数が埋め込まれて表示されたこと。 訪問者の数が画面に出ていた時代の裏づけ
    確認日: 2026-08-17

20187割が不安を感じながら使っていた
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