まとめサイト
ネット上の情報を集めて整理し、読みやすく並べ直して公開するサイト。 掲示板やSNSの書き込みを抜き出したものもここに含まれる。 2014年ごろに爆発的に増えたが、剽窃と質の低下が社会問題化し、2016年末を境に下火になった。
なぜ当時あたりまえだったのか
掲示板の書き込みは時系列に積み上がるだけで、後から来た人が読むには量が多すぎる。 数百件のなかから読みどころを抜き出し、順番を整え、見出しを付ける。 この作業には確かな需要があった。書く人でも管理する人でもない、選んで並べ直す役割である。 収益の面でも成立した。並べ直したページに広告を置けば、 元の書き込みを一切書いていなくても収入になる。 ネット上の膨大な情報からテーマごとに有用な情報をまとめて提供するのは新しい価値になりうる、 という考え方のもとで、2014年ごろに関連サービスが爆発的に増えた。 形式も一つではなかった。運営者がまとめ記事を作るもの、 場だけを提供して登録利用者にまとめを書かせるもの、 幅広い話題を扱うもの、特定のテーマに絞ったもの、 ニュース配信だけを取り上げるもの、掲示板やSNSの書き込みを抽出・転載したもの。 「まとめる」という一語が、かなり違う商売をまとめて指していた。
なぜ消えたのか
ブームが過熱すると、閲覧に伴う広告収入を狙って 他者の著作物を剽窃して切り貼りするだけのサイトが乱立した。 法的紛争が頻発し、一部は社会問題になり、検索サイト側の対策も進む。 2016年末ごろを境に、流行は下火になった。 構造的な問題ははっきりしている。 この形式は、元の書き手に何も返さないまま収入だけを取れるように出来ていた。 引用の範囲を守るかどうかは作る側の裁量に委ねられ、 守らないほうが速く安く量産できる。 質の低いものが増えるほど全体の評価が下がり、 真面目にやっていた側まで巻き込まれて終わった。
今でいうと何か
SNSのアルゴリズムによる推薦と、生成AIによる要約。 人が選んで並べ直していた工程が機械へ移ったが、 元の書き手に何も返らないという構造のほうは引き継がれている
※ 完全に同じものではありません。機能や文化の系譜として近いものを挙げています。