INTERNET — 2011

2011年のインターネット

スマートフォンは16.2%しかなかった

第4層 スマートフォン化存在したサービス 15この年に開始 1

2011年3月11日の東日本大震災では、通信インフラの被害が甚大で、 発災直後は情報が届かない地域が広範囲に発生した。 そのなかで、マスメディアでは扱いきれないきめ細かな情報を運ぶ手段として、 ソーシャルメディアが使われた。 白書の推計によると、被災地域の自治体アカウントの1日あたりツイート数は3月11日から急増し、 3月10日以前の約10倍に達している。フォロワー数も震災後に急増し、 3月31日には震災前の約10倍になった。 周辺地域の自治体アカウントは被災地域よりやや遅れて増え、3月18日ごろにピークを迎えたあと、 減ることなく3月末まで高い水準が続いた。 自治体が発信に取り組んだだけでなく、そのアカウントを探して読みに行く人が大量にいたことが、 フォロワー数の推移から読み取れる。 ここで、この年の別の数字を並べる必要がある。 平成23年末のインターネット利用者数は9,610万人、人口普及率79.1%。 端末別の利用状況では「自宅のパソコン」が62.6%で最多、次いで「携帯電話」52.1%、 「自宅以外のパソコン」39.3%。そしてスマートフォンは16.2%だった。 都道府県別に見ても、スマートフォン利用率が20%を超えていたのは東京都と神奈川県だけで、 いずれも23.7%である。 つまり2011年の日本で、手のひらの端末から常時ソーシャルメディアを見ていた人は、 まだ6人に1人しかいない。 震災の情報をリアルタイムで追った体験は、多くの場合パソコンの前か、 従来型の携帯電話の小さな画面で起きていた。 「あのときスマホで情報を追った」という記憶は、統計の上ではかなりの少数派に属する。 この年の6月には LINE が公開されている。 電話番号を鍵にして端末のアドレス帳から友だちリストを作るこのサービスが、 スマートフォン利用率16.2%という土壌の上で始まった点は押さえておく価値がある。 当初からフィーチャーフォン向けの入口も用意されており、 端末が行き渡るのを待たずに広がる作りだったことが、後の速度を説明する。 この年の意味は、ソーシャルメディアが普及したことではない。 普及しきる前に、社会的な役割を先に与えられたことである。 利用者が2割に満たない道具が、自治体の公式発信の経路として使われ、 そのまま定着していった。順序が逆になった珍しい例だといえる。

この年のインターネット

2011年時点で日本から使えたサービスのカテゴリ。存在しなかった領域は表示していません。

掲示板コミュニティ検索ポータルツールニュースケータイホスティング個人サイトチャットSNSゲーム動画ショッピングオークション

2011年の主役

この年に生まれたもの、消えたもの

この年に終わった

記録されているものはありません。

2011年の環境

スペック表ではありません。なぜ当時のWebがあの見た目・使い方だったのかを 理解するための前提です。

主流端末
デスクトップPC/ノートPC/携帯電話(フィーチャーフォンが依然として多数)/スマートフォン(利用率16.2%)/タブレット(登場して間もない)
ブラウザ
Internet Explorer 8 / 9/Google Chrome(利用が急速に広がっていた時期)/Firefox/Mobile Safari / Android ブラウザ
回線
FTTH/ADSL(減少が続く)/3G(スマートフォンのパケット定額)/公衆無線LAN
画面解像度
パソコンはワイド画面、スマートフォンは横320〜480ピクセル
携帯電話
スマートフォン利用率は16.2%。20%を超えたのは東京都と神奈川県のみ(ともに23.7%)/携帯電話からの利用は52.1%
保存容量
1TB級のHDD/SSDの普及期/クラウドストレージが一般化
主な検索手段
検索に加えて、ソーシャルメディアのタイムラインが情報の入口として機能し始めた。 震災時には「誰がいつ書いたか」が検索結果より速い経路になった

2011年のネット人口

インターネット利用者数9610万人
平成23年末。前年より148万人増(前年比1.6%増)。人口普及率79.1%出典: (2)インターネットの利用状況(平成24年版 情報通信白書)
スマートフォンからの利用率16.2%
平成23年末。自宅のパソコン62.6%、携帯電話52.1%、自宅以外のパソコン39.3%。 都道府県別で20%を超えたのは東京都と神奈川県のみ(ともに23.7%)出典: (2)インターネットの利用状況(平成24年版 情報通信白書)
被災地域の自治体アカウントのツイート数10
3月11日から急増し、3月10日以前の約10倍に到達。フォロワー数も3月31日に震災前の約10倍出典: コラム 震災時におけるTwitterの活用状況について(平成23年版 情報通信白書)

2011年の画面

実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

LINE(スマートフォンのトーク画面)320px
< 友だちリスト|相手の名前
相手の発言(左寄せの吹き出し)
自分の発言(右寄せの吹き出し・既読表示)
送信した画像
相手の発言
メッセージ入力欄
送信
スタンプ/画像/位置情報
2011年の画面構造発言が左右に振り分けられた吹き出しで積まれる形式は、掲示板ともチャットルームとも違う。 掲示板は誰の発言かを名前で示し、チャットルームは行頭にハンドルを置いた。 ここでは位置と色だけで話者を区別するため、名前を書く必要がない。 相手が特定されている会話にしか使えない代わりに、1行あたりの文字数を最大限に使える。 画面の狭さと、相手が既知であることの両方が、この形を決めている。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。指で押す前提の画面。1画面に収める代わりに、階層を浅くして戻る回数を減らす※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
www.nicovideo.jp(動画視聴ページ)1024px
ランキング 検索 マイリスト
流れるコメント
動画(この上をコメントが流れる)
動画の説明
タグ
コメント一覧
2007年の画面構造通常の動画サイトが動画とコメント欄を上下に分けるのに対し、ニコニコはそれを重ねた。 右のコメント一覧は補助で、体験の中心は動画の上を流れる文字のほうにある。 別々の日に書かれた反応が同じ場面で同時に現れるため、非同期なのに同時に見ているように感じられた。※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
mixi.jp(ホーム)1024px
ホーム 日記 コミュニティ
プロフィール画像
マイミクシィ
あしあと
最新の日記
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2005年の画面構造中心にあるのは日記で、その周りに人間関係が配置されている。 左の「あしあと」は誰が自分のページを見たかの一覧で、読むだけでも相手に伝わった。 この設計は交流を促進する一方、見たのに反応しないことが気まずいという独特の緊張も生んだ。 角丸と淡い配色は、当時Web 2.0と呼ばれた視覚言語である。※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

当時のWebを見る

実際に保存された2011年のページは、外部のWebアーカイブで閲覧できます。 保存の有無はサービスごとに異なるため、各サービスのページから状態を確認してください。

サービス索引から探す

出典

  1. 公的資料(2)インターネットの利用状況(平成24年版 情報通信白書)総務省
    平成23年末のインターネット利用者数9,610万人(前年より148万人増、前年比1.6%増)、 人口普及率79.1%、端末別で「自宅のパソコン」62.6%・「携帯電話」52.1%・ 「自宅以外のパソコン」39.3%・スマートフォン16.2%、 都道府県別でスマートフォン利用率が20%を超えたのは東京都と神奈川県のみ(ともに23.7%)
    確認日: 2026-08-16
  2. 公的資料コラム 震災時におけるTwitterの活用状況について(平成23年版 情報通信白書)総務省
    被災地域の自治体アカウントの1日あたりツイート数が3月11日から急増して3月10日以前の約10倍に達したこと、 フォロワー数も3月31日に震災前の約10倍になったこと、 周辺地域の自治体アカウントは3月18日頃にピークとなりその後も3月末まで高い水準が続いたこと
    確認日: 2026-08-16
  3. 報道NAVER、全キャリアのスマホ・携帯に対応したグループ会話サービス「LINE」INTERNET Watch(インプレス) 2011-06-27
    電話番号を登録キーとしアドレス帳から友だちリストを作る仕組み、 iPhone/Androidは専用アプリ・携帯電話は招待メッセージから専用URLへという二本立て
    確認日: 2026-08-16
  4. 公的資料第4節 情報通信が果たした役割と課題(平成23年版 情報通信白書)総務省
    通信インフラの被害により発災直後は情報伝達の空白地域が広範囲に発生したこと、 マスメディアでは限界のあるきめ細やかな情報を送る手段としてソーシャルメディアが用いられたこと
    確認日: 2026-08-16

2011スマートフォンは16.2%しかなかった
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