前略プロフィール

終了個人サイトコミュニティケータイ20022016(14年)

2002年に公開された自己紹介サイト。あらかじめ用意された質問項目に答えるだけで プロフィールができ、パケット定額制の広がりとともに2000年代中盤の女子中高生に大流行した。 2016年9月30日に14年で終了し、書き込まれたデータは運営が削除した。

基本情報

サービス名
前略プロフィール前略プロフ、プロフ
開始
2002
アクセス解析「CGIBOY」を運営していたキープライムが公開した年。月までは公表されていない
終了
20169月30日
運営
株式会社キープライム(2003年に楽天へ吸収合併)(2002〜) → 楽天株式会社 → 株式会社ザッパラス(2012〜2016)
現在
終了(2026-08-17時点)

その時代の立ち位置

誰が使っていたか
2000年代中盤の女子中高生が中心。携帯電話しか持っていない層にとって、 手順を覚えずに自分のページを持てるほぼ唯一の形式だった。 口コミで広がったため、実際の交友関係とそのまま重なっていた
何のために
自己紹介を作って友達に見せ合うこと。読ませるための文章を書く場所ではなく、 相手が自分の項目を読み、自分も相手の項目を読むという交換のための場所だった
何が新しかったか
中身の枠まで用意されていたこと。 個人サイトは「何を書くか」から決める必要があったが、 ここでは質問項目があらかじめ並んでいて、答えを入れれば完成する。 書く力も、構成する力も要らない。自己紹介というコンテンツそのものが部品になった
今でいう何か
SNSのプロフィール欄、および質問に答える形式の自己紹介アプリ。 ただし当時はそれ自体が独立したサービスで、本体となるSNSを持たずに成立していた
当時の競合
魔法のiらんどmixi

前略プロフィールを時間旅行する

デザインの変化を並べるだけではなく、なぜそう変わったのかを書いています。

  1. 2002質問に答えると、自己紹介ができた2002年のネットへ →

    2002年、アクセス解析サービスを運営していた会社が公開した。 仕組みは単純で、あらかじめ用意された質問項目に答えてプロフィールを作り、 友達などに見せ合うというものである。 この単純さが、それまでの個人サイトとの決定的な違いだった。 無料ホームページで自分の場所を作るには、まず何を書くかを決める必要がある。 日記か、趣味の紹介か、作品か。構成を考え、目次を作り、更新を続ける。 この「何を書くか」という最初の関門で、多くの人が離れていた。 ここでは、その関門が最初から取り除かれている。 質問が並んでいて、答えを入れると自己紹介が完成する。 [teacup.](/service/teacup)が掲示板という部品を借りられるようにしたのに対し、 こちらは中身の枠そのものを用意した。 借りられるものが、場所から様式へ一段進んだ形式にあたる。

  2. 2007料金制度が広めた2007年のネットへ →

    流行の広がり方に、当時の料金の事情がそのまま出ている。 携帯各社のパケット定額制の導入とともに口コミで人気が広がり、 2000年代中盤には女子中高生を中心に大ブームになった。 定額制になる前、携帯電話でページを見ることは通信量がそのまま料金になる行為だった。 友達の自己紹介を次々に開いて回るという遊び方は、定額でなければ成立しない。 内容が軽かったこと、更新が頻繁でなかったことも、この時期の条件と噛み合っている。 同時に、負の面も規模とともに現れた。 出会いを目的に利用する人もおり、社会問題として扱われるようになる。 本名に近い情報を、範囲を決めずに公開するという形式が、 公開範囲を細かく制御できる仕組みを持たないまま広がった結果でもあった。 当時のこの領域は、[実名を前提に公開範囲を刻む設計](/service/facebook-japan)が 日本に入ってくるより前にあたる。

    質問と答えが交互に並ぶ公開範囲を選ぶ仕組みが無い1ページが軽い
    プロフィールのページ(質問に答えて埋める)120px
    ○○のプロフ
    写真
    名前   : ○○
    誕生日  : ○月○日
    血液型  : ○型
    性格   : ○○○
    好きな音楽: ○○○
    ひとこと : ○○○○○
    1 このプロフにコメントする
    2 友達のプロフ一覧
    000000アクセス 0123
    2007年の画面構造左に質問、右に答え。この構造が最初から用意されていることが要点である。 個人サイトなら、何を書くかを決めるところから始めなければならない。 ここでは項目が並んでいて、埋めれば完成する。 書く力も、構成する力も要求されない。 埋める形式だからこそ、読み比べが成立したとも言える。 同じ項目に別の答えが入っているだけなので、 友達のページを次々に開いて差分だけを見ていく読み方ができる。 パケット定額制が広がった時期にこの遊び方が流行したのは、 1ページあたりが軽く、たくさん開くことが前提だったからでもある。 同時に、この形式は公開範囲を選ぶ仕組みを持っていなかった。 誕生日も、通っている学校の話も、同じ一枚に並んで誰からでも読める。 見せる相手を刻むという発想が入ってくるのは、これより後になる。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。携帯電話の縦長画面。上から下へ質問と答えが交互に並ぶだけの構造※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
  3. 2016消して終わった2016年のネットへ →

    2016年7月29日に終了が発表され、8月31日に新規会員登録と書き込みを停止、 閲覧のみができる状態を経て、9月30日にすべてのサービスが終わった。 2002年の公開から14年である。 終わり方は、この時期に閉じた場所の中でもはっきりしていた。 利用者が書き込んだデータは運営が削除すると告知されている。 同じ形をとった終了は他にもある。 [teacup.](/service/teacup)は2022年に、投稿されたテキストと画像を 「責任を持って全て消去し、二次利用を行うことはございません」として閉じた。 いずれも書かれていたものが作品ではなかった場所である。 自己紹介も、掲示板の会話も、その時その相手に向けて書かれたものだった。 何年も後に第三者が読む前提では書かれていない。 残すことが利用者への配慮になるとは限らない、という判断がここにある。 その代わり、2000年代の携帯電話の画面で何が起きていたかは、 一次の記録としてはほとんど残らなかった。

なぜ終わったのか

運営は個別の理由を公表していないため断定はしない。 ただし形式の側から見ると、役割の移り先ははっきりしている。 自己紹介を独立したサービスとして持つ必要があったのは、 本体となる場所が無かったからである。 携帯電話しか持たない中高生には、プロフィールを載せておく先が他に無かった。 SNSが普及すると、自己紹介はそのサービスの中の一欄になる。 独立した「プロフ」を作って URL を教える手順は、 アカウント名を教えれば済む形式に置き換わった。 部品として切り出されていたものが、本体の側に吸収されたという経過である。

系譜

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当時のページを見る

実際に保存された過去のページは外部のWebアーカイブにあります。保存されていることを保証するものではありません。

保存状況: 未確認 当時のホスト名を一次資料で確認できていない。 終了を伝えた報道にも運営の告知にも URL が記載されておらず、 推測で書くと存在しない URL を載せることになるため、 `wayback_target` を空にしてある。分かり次第埋める

アーカイブ対象URLは記録が確認できていません。情報提供はこちら

この時代のインターネットへ

前略プロフィールだけを見ても、当時の空気は分かりません。同じころ何が存在していたかを見てください。

出典

  1. 報道「前略プロフ」終了 オープンから14年 “ガラケー”時代、女子中高生にブームITmedia NEWS 2016-08-01
    2016年9月30日に終了し、運営元のザッパラスが7月29日に発表したこと。 2002年にオープンし14年の歴史であること。 「あらかじめ用意された質問項目に答えてプロフィールを作り、友達などに見せ合うサービス」 であり、アクセス解析「CGIBOY」を運営していたキープライムが2002年に公開したこと。 同社は2003年に楽天へ吸収合併され、楽天は2012年1月にザッパラスへ譲渡したこと。 携帯各社のパケット定額制の導入とともに口コミで人気が広がり、 2000年代中盤には女子中高生を中心に大ブームになったこと。 出会い目的で利用する利用者もおり社会問題にもなったこと。 8月31日に新規会員登録を停止し発言や書き込みなどのアクションも停止して閲覧のみとし、 利用者が書き込んだデータは同社が削除すること
    確認日: 2026-08-17
  2. 報道レンタル掲示板のteacup.が8月1日で終了 25年の歴史に幕ねとらぼ(ITmedia) 2022-03-04
    同じ「消して終わる」形をとった事例。会員が投稿したテキスト・画像について 「サービス終了後、責任を持って全て消去し、二次利用を行うことはございません」と 説明していること
    確認日: 2026-08-17
  3. 公的資料平成18年版 情報通信白書 「インターネットの利用状況」総務省
    平成17年末の端末別利用者数。携帯電話のみでインターネットを利用する層が 1,921万人(22.5%)おり、この形式の利用者層と重なる規模の裏づけ
    確認日: 2026-08-17

このページの記載は 2026-08-17 時点の調査に基づきます。誤りのご指摘・情報提供