INTERNET — 2022

2022年のインターネット

休日もテレビを抜いた年に、ページを開かない道具が来た

第6層 生成AI時代存在したサービス 21この年に終了 1

2022年のインターネット利用率(個人)は84.9%。 端末別ではスマートフォンが71.2%で、パソコンの48.5%を22.6ポイント上回った。 世帯の保有率はモバイル端末全体97.5%、スマートフォンが90.1%で初めて9割に乗り、 パソコンは69.0%だった。 都道府県別では利用率が80%を超えているのが34県で、 すべての都道府県でスマートフォンによる利用率が50%を超えている。 この年に節目として記録すべきなのは、端末ではなく時間の使われ方である。 総務省の調査では、「インターネット利用」の平均利用時間が 「テレビ(リアルタイム)視聴」を平日は3年連続で上回り、 休日については初めて上回った。 平日はもともと通勤や仕事の合間という形でネットに触れる時間が入りやすい。 休日は、意識して選んだ結果が出る。 そこで逆転したということは、残っていた最後の砦が抜かれたということになる。 日本のネット史でテレビは長いあいだ比較の相手だった。 1990年代、インターネットは「テレビを見ない時間にやること」として始まっている。 テレホーダイの時間帯が深夜だったのは、そこが空いていたからでもあった。 2022年に起きたのは、空き時間を埋める側だったものが、 時間そのものの取り合いに勝ったという事態である。 不安の数字はほぼ横ばいだった。 インターネットを利用している人の約70%が何らかの不安を感じており、 内容は「個人情報やインターネット利用履歴の漏洩」88.7%、 「コンピューターウイルスへの感染」64.3%、 「架空請求やインターネットを利用した詐欺」53.8%。 前年に9割へ乗った漏洩への不安は、高い水準のまま動いていない。 そして、この年の終わりに道具が一つ増えた。 11月30日(米国時間)にChatGPTが公開され、5日で利用者が100万人に達している。 ここで注意しておきたいのは日付の並びである。 上に挙げたメディア利用時間の調査は、2022年11月5日から11日にかけて行われた。 つまりこの年の数字は、その道具が来る3週間前の日本を測ったものになる。 インターネットが他のメディアから時間を奪い切った、まさにその瞬間に、 インターネットの内側で「ページを開く」という前提が崩れ始めた。 2022年の統計にその影響は入っていない。 何が起きたかは、次の年からの数字に現れることになる。

この年のインターネット

2022年時点で日本から使えたサービスのカテゴリ。存在しなかった領域は表示していません。

掲示板コミュニティ検索ポータルツールニュースケータイSNSゲーム接続サービスホスティング写真チャット個人サイト動画ショッピングオークション

2022年の主役

この年に生まれたもの、消えたもの

この年に始まった

記録されているものはありません。

2022年の環境

スペック表ではありません。なぜ当時のWebがあの見た目・使い方だったのかを 理解するための前提です。

主流端末
スマートフォン(利用率71.2%)/パソコン(利用率48.5%)/タブレット型端末
ブラウザ
Google Chrome/Mobile Safari/Microsoft Edge
回線
FTTH/5G/LTE
画面解像度
スマートフォン単独で完結する設計が既定。パソコン向けは補助的な位置づけになった
携帯電話
スマートフォン71.2%がパソコン48.5%を22.6ポイント上回る/世帯保有率はスマートフォン90.1%で初めて9割に到達、パソコンは69.0%/すべての都道府県でスマートフォン利用率が50%超、利用率80%超は34県
保存容量
クラウド既定。端末に何も置かない使い方が一般化した
主な検索手段
検索・SNS・推薦に加えて、年末に対話で答えを得る手段が現れた。 ただしこの年の統計には、その影響はまだ含まれていない

2022年のネット人口

スマートフォンとパソコンの利用率の差22.6ポイント
スマートフォン71.2%、パソコン48.5%。 2018年11.3・2019年12.9・2020年17.9・2021年20.4と開き続けている出典: インターネット(令和5年版 情報通信白書)
スマートフォンの世帯保有率90.1%
初めて9割に到達(2020年86.8%、2021年88.6%)。 モバイル端末全体は97.5%、パソコンは69.0%で前年の69.8%から微減出典: 情報通信機器・端末(令和5年版 情報通信白書)
「個人情報や利用履歴の漏洩」への不安88.7%
利用者の約70%が何らかの不安を感じている。 ウイルス感染64.3%、架空請求や詐欺53.8%。前年(90.1%)から高い水準のまま出典: インターネット(令和5年版 情報通信白書)
利用率が80%を超えた都道府県34
2020年は27県。すべての都道府県でスマートフォン利用率が50%を超えている出典: インターネット(令和5年版 情報通信白書)

2022年の画面

実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

Instagram の投稿画面(正方形に切って、選ぶ)375px
< 戻る  新規投稿  次へ >
正方形に切り取られた写真
フィルターを選ぶ(横に並んだ小さな見本を左右に送る)
フィルター / 編集(明るさ・彩度・傾き)
キャプション
#ハッシュタグ #ハッシュタグ #ハッシュタグ
場所を追加 / 人物をタグ付け
シェアする
2017年の画面構造完成までの工程が選ぶだけで終わるのがこの画面の要点である。 正方形に切る、見本を送ってフィルターを決める、投稿する。 構図を考える段階も、書く段階も、必須ではない。 当時のスマートフォンのカメラは解像度が高くなかったが、 フィルターは粗さを隠すのではなく様式に変えるので、 うまく撮れないことが不利にならなかった。 正方形という制約も効いている。一枚を鑑賞させる形ではなく、 格子に並べたときに揃う形であり、 投稿は最初から一覧の一マスとして設計されている。 下部のハッシュタグは、後から性格を変えた部分である。 当初は分類の印だったものが、日本では探すための入口になり、 ハッシュタグ検索の回数は世界平均の3倍に達した。 言葉で引く検索から、写真で引く検索へ移った場所がここにある。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。縦長のスマートフォン画面。パソコンで作る工程が一つも無い※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
LINE(スマートフォンのトーク画面)320px
< 友だちリスト|相手の名前
相手の発言(左寄せの吹き出し)
自分の発言(右寄せの吹き出し・既読表示)
送信した画像
相手の発言
メッセージ入力欄
送信
スタンプ/画像/位置情報
2011年の画面構造発言が左右に振り分けられた吹き出しで積まれる形式は、掲示板ともチャットルームとも違う。 掲示板は誰の発言かを名前で示し、チャットルームは行頭にハンドルを置いた。 ここでは位置と色だけで話者を区別するため、名前を書く必要がない。 相手が特定されている会話にしか使えない代わりに、1行あたりの文字数を最大限に使える。 画面の狭さと、相手が既知であることの両方が、この形を決めている。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。指で押す前提の画面。1画面に収める代わりに、階層を浅くして戻る回数を減らす※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。

当時のWebを見る

実際に保存された2022年のページは、外部のWebアーカイブで閲覧できます。 保存の有無はサービスごとに異なるため、各サービスのページから状態を確認してください。

サービス索引から探す

出典

  1. 公的資料インターネット(令和5年版 情報通信白書)総務省
    2022年のインターネット利用率(個人)84.9%、端末別で「スマートフォン」71.2%が 「パソコン」48.5%を22.6ポイント上回ること、13〜59歳の各階層で9割超・60歳以降は 年齢階層が上がるにつれて低下、所属世帯年収400万円以上の各階層で8割超、 利用率が80%を超えているのは34県で、すべての都道府県でスマートフォン利用率が50%超。 利用者の約70%が何らかの不安を感じており、内容は「個人情報やインターネット利用履歴の漏洩」88.7%、 「コンピューターウイルスへの感染」64.3%、「架空請求やインターネットを利用した詐欺」53.8%。 同ページの脚注に「令和元年調査の調査票の設計が一部例年と異なっていたため、 経年比較に際しては注意が必要」とある
    確認日: 2026-08-17
  2. 公的資料情報通信機器・端末(令和5年版 情報通信白書)総務省
    2022年の情報通信機器の世帯保有率は「モバイル端末全体」97.5%、 その内数の「スマートフォン」は90.1%、パソコンは69.0%であること
    確認日: 2026-08-17
  3. 公的資料デジタルサービスの活用状況(国際比較)(令和5年版 情報通信白書)総務省
    「インターネット利用」の平均利用時間が「テレビ(リアルタイム)視聴」を 平日は3年連続で超過し、休日は初めて超過したこと。 出典は総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」で、 13歳から69歳までの男女1,500人を対象とし、 2022年度調査の調査対象期間は2022年11月5日〜11月11日であること
    確認日: 2026-08-17
  4. 報道ChatGPT、公開6日目で100万ユーザー突破ITmedia NEWS 2022-12-06
    ChatGPTが2022年11月30日(米国時間)に公開され、5日時点で利用者が100万人を突破したこと
    確認日: 2026-08-17
  5. 公的資料デジタル活用の動向 総論(令和4年版 情報通信白書)総務省
    比較の起点となる2021年の数字。世帯保有率は「モバイル端末全体」97.3%、 「スマートフォン」88.6%、パソコン69.8%。 端末別利用率は「スマートフォン」68.5%が「パソコン」48.1%を20.4ポイント上回っていた
    確認日: 2026-08-17

2022休日もテレビを抜いた年に、ページを開かない道具が来た
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