Yahoo!ブログ

終了ブログポータル20052019(14年)

ポータルの中に置かれたブログサービス。約13年運営され、2019年12月15日に終了した。 終了にあたって他社4サービスへの移行ツールが用意され、記事だけでなく画像とコメントも運べた。 同じ時期に閉じた場所の多くが記録を消したのとは、正反対の終わり方だった。

基本情報

サービス名
Yahoo!ブログヤフーブログ
開始
2005 推定
終了時の報道が「約13年間運営してきた」としていることからの推定。 開始日を明示した一次資料を確認できていないため confidence は estimated とする
終了
201912月15日
運営
ヤフー株式会社
当時のURL
http://blogs.yahoo.co.jp/
現在
終了(2026-08-17時点)

その時代の立ち位置

誰が使っていたか
ポータルのアカウントをすでに持っていた層。 ブログを書くために別のサービスへ登録するのではなく、 いま使っている場所の中に書く欄が増えたという入り方をした人が多かった
何のために
日付順に記事を積み上げること。 専用サービスと違って検索やニュースと同じ画面群の中にあり、 ポータルの回遊の一部として読まれる位置に置かれていた
何が新しかったか
ブログという形式そのものは新しくないが、 ポータルが自前で抱えたという点がこの時期の日本に固有だった。 入口を持つ事業者が、その内側に発信の場所も用意する。 検索・ニュース・オークション・ブログが同じ看板の下に並ぶ構成である
今でいう何か
プラットフォームが自社内に用意する投稿機能。 ただし当時は、記事が独立した URL を持ち、外から直接読める形式だった
当時の競合
Yahoo!ジオシティーズ

Yahoo!ブログを時間旅行する

デザインの変化を並べるだけではなく、なぜそう変わったのかを書いています。

  1. 2005入口の内側に、書く場所が増えた2005年のネットへ →

    ポータルの中にブログが置かれた。 すでにアカウントを持っている人にとって、始めるための手続きは実質的に無い。 これが個人ホームページとの違いを決めている。 無料スペースを借りてHTMLを書く手順と比べれば、 書き始めるまでの距離がほぼゼロになった。 一方で、置かれている場所は自分が選んだサーバではなく、 検索やニュースと同じ看板の内側である。 この構図は当時の日本に固有のものだった。 入口を持つ事業者が、その内側に発信の場所まで用意する。 利用者から見れば便利だが、場所の持ち主は最初から自分ではない。 個人ホームページの時代に「自分の場所」と呼ばれていたものとは、 同じ言葉で呼びにくい性質を持っている。

    日付順コメント欄が標準装備ポータルの内側
    ブログ記事の下半分(コメントとトラックバック)800px
    記事本文(日付・タイトル・カテゴリ)
    Posted by 管理人 | カテゴリ | Permalink
    コメント(3)
    ハンドル+日時+本文
    ハンドル+日時+本文
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    参照している記事のタイトルと要約
    この記事へのトラックバックURL
    2005年の画面構造記事より下のほうが縦に長い、という構成がこの時期のブログの特徴だった。 下半分は他人が書き足す領域である。 コメントは読者が直接書き込み、トラックバックは別のブログが機械的に登録していく。 隅に置かれた「この記事へのトラックバックURL」は、 他のサイトから通知を送るための宛先で、 記事ごとに接続用の住所が公開されていたことを示している。 個人ホームページが玄関からしか入れなかったのに対し、 ブログは記事1本ごとに出入口を持っていた。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。本文より下に、反応と接続のための区画が積み上がっていた時期の構成※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
  2. 2019移行ツールを用意して閉じた2019年のネットへ →

    2019年2月28日に終了が発表され、同年12月15日に終了した。約13年の運営だった。 理由について運営は 「サービスを取り巻く現在の市場環境や技術的な運用課題、今後の事業方針など、 様々な要因をふまえ総合的に検討した結果、継続が難しいと判断した」としている。 利用者数は公開されていない。 注目すべきは閉じ方の設計である。 2019年4月15日にベータ版を終了、5月9日に新規受付を止めると同時に 他社ブログツールへの移行ツールの提供を開始。 8月31日に記事・コメント・トラックバックの投稿と編集を停止し、 12月15日にサービスと移行ツールを同時に終了する、という段階を踏んでいる。 移行できたのは記事のテキストだけではない。画像とコメントも運べた。 公式に指定された移行先は他社のブログサービスで、 競合にあたる先へ利用者を送り出す形になっている。 同じ時期に閉じた場所と並べると、この違いがはっきりする。 [前略プロフィール](/service/zenryaku-profile)は2016年に、 [teacup.](/service/teacup)は2022年に、 いずれも利用者の書き込みを削除して終わった。 一方でここは、持ち出す手段を用意した側にあたる。 書かれていたものの性質が、終わり方を決めている。 掲示板の会話やプロフィールは、その場かぎりの相手に向けて書かれていた。 日付順に積み上げた記事は、後から読み返される前提で書かれている。 どちらが正しいということではなく、何を書いた場所かによって、 残すことが配慮になるか、消すことが配慮になるかが逆になる。

なぜ終わったのか

運営は「サービスを取り巻く現在の市場環境や技術的な運用課題、今後の事業方針など、 様々な要因をふまえ総合的に検討した結果、継続が難しいと判断した」と説明している。 個別の要因までは公表されていないため、ここでは断定しない。 形式の側から言えるのは、この時期に個人が文章を置く場所が ブログからSNSへ移り終えていたことである。 日付順に積み上げるという規律は、 投稿ごとに完結して流れていく形式に置き換わった。 ただし終わり方の設計は、同時期の他の終了より一段丁寧だった。 10か月かけて段階的に機能を止め、移行ツールを競合他社向けに用意し、 画像とコメントまで運べるようにしている。 失われるものの量が事前に把握されていた終わり方といえる。

系譜

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保存状況: 一部保存 トップページと一部の記事は採取されているが、 個々のブログの全記事が残っているわけではない

この時代のインターネットへ

Yahoo!ブログだけを見ても、当時の空気は分かりません。同じころ何が存在していたかを見てください。

出典

  1. 報道Yahoo!ブログ、12月15日にサービス終了Impress Watch 2019-02-28
    2019年12月15日に終了すること、約13年間運営してきたこと。 「サービスを取り巻く現在の市場環境や技術的な運用課題、今後の事業方針など、 様々な要因をふまえ総合的に検討した結果、継続が難しいと判断した」という説明。 利用者数は非公開であること。 2017年開始のベータ版を2019年4月15日に終了、5月9日に新規受付を終了して 他社ブログツールへの移行ツールを提供開始、8月31日に記事・コメント・トラックバックの 投稿と編集を不可とし、12月15日にサービスと移行ツールを同時に終了するという日程
    確認日: 2026-08-17
  2. 報道「前略プロフ」終了 オープンから14年 “ガラケー”時代、女子中高生にブームITmedia NEWS 2016-08-01
    対比のための事例。利用者が書き込んだデータを運営が削除する形で終了したこと
    確認日: 2026-08-17
  3. 一次資料Movable Typeは11周年を迎えましたシックス・アパート株式会社 2012-10-08
    2002年10月の日本語ランゲージパック公開。 日本でブログという形式が広がっていく起点で、ポータルが自前で抱えるのはその後になる
    確認日: 2026-08-17
  4. 公的資料(2)ブログとSNS(平成19年版 情報通信白書)総務省
    この時期のブログとSNSの利用規模。ブログが個人の発信の主要な形式だった時期の裏づけ
    確認日: 2026-08-17

このページの記載は 2026-08-17 時点の調査に基づきます。誤りのご指摘・情報提供