IIJ(インターネット接続サービス)

現存接続サービスツール1993現在(33年)

1993年11月に国内で初めてインターネット接続サービスを始めた事業者。 ただし個人向けサービスが出るのは1996年12月で、それまでの3年間、 個人が直接インターネットにつなぐのは一般的な選択肢ではなかった。

基本情報

サービス名
IIJ(インターネット接続サービス)インターネットイニシアティブ、IIJ4U
開始
199311月
「インターネット接続サービス」の開始月。同社は国内初としている。 同年7月にUUCPサービス、翌1994年5月にダイアルアップIPサービスを開始している
終了
継続中
運営
株式会社インターネットイニシアティブ(1992〜)
当時のURL
http://www.iij.ad.jp/
現在
https://www.iij.ad.jp/

その時代の立ち位置

誰が使っていたか
最初の3年間は企業と研究機関が中心で、個人は直接の顧客ではなかった。 この時期に個人がネットワークに触れる経路はパソコン通信が主流で、 インターネットへ直接つなぐという選択は、料金の面でも手続きの面でも例外的だった
何のために
インターネットへの接続そのものを売ること。 その先に何があるかは提供側が決めない ── 当時のパソコン通信が 会員向けに会議室やニュースを用意していたのとは、商品の性質が根本的に違っていた
何が新しかったか
接続だけを商品にしたこと。 パソコン通信は入会した会社の内側が世界の範囲だったが、 接続サービスは中身を持たない。何を見るかは利用者が決め、 見られる範囲は契約先に依存しない。この違いが、 のちに個人サイトが自由に増えていく前提になった
今でいう何か
現在の固定回線・モバイル回線の契約。ただし当時は「つながること」自体が 保証されておらず、品質を約束する制度が国内で導入されるのは1999年になってからだった
当時の競合
NIFTY-ServePC-VAN

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デザインの変化を並べるだけではなく、なぜそう変わったのかを書いています。

  1. 1993接続を売るという商売が始まった

    1993年11月、国内で初めてインターネット接続サービスが始まる。 翌1994年5月にはダイアルアップIPサービスも始まり、電話回線からIP接続する手段が用意された。 ただしこの時点で、個人向けのサービスは無い。 同社が個人向けの「IIJ4U」を始めるのは1996年12月で、3年の開きがある。 1995年に日本の家庭でネットワークに触れていた人の大半は、 パソコン通信の会員として会議室を読んでいた。 この3年の空白は、当時の商品の性質を説明している。 パソコン通信は入会すれば中身が用意されていたが、接続サービスには中身が無い。 何を見るかを自分で探せる人でなければ、契約する意味が無かった。 個人向けが遅れたのは技術の問題ではなく、 「つないだ先に見るものがあるか」がまだ不確かだったからである。

  2. 1996決め手は速度ではなく、電話番号だった1996年のネットへ →

    個人向けサービスが出そろってからも、選ぶ基準は今とまったく違っていた。 市内にアクセスポイントがあるかどうかである。 当時、インターネットにダイヤルアップIP接続するためのアクセスポイントは 全国に282か所(1996年10月現在)。 全国3,255の市町村のうち、区域内通話でインターネットに接続できたのは2,126市町村だった。 約3分の1の市町村は、つなぐたびに市外通話の料金がかかる。 月額料金が同じでも、住んでいる場所によって実際に払う額がまったく違った。 アクセスポイントは固定されたものでもなかった。 同社は自社の沿革で、当時は新設や廃止が頻繁にあったと記している。 利用者は接続先の電話番号を自分で管理し、 変わるたびに設定を直すという手間を負っていた。 「つなぐ」という行為が、まだ利用者側の作業として残っていた時代である。

    電話番号の一覧区域内通話かどうかの確認予告なく変更される
    アクセスポイント一覧(つなぐ前に見る画面)640px
    アクセスポイント一覧
    ※ お住まいの地域から区域内通話でかけられるかをご確認ください
    都道府県/設置場所/電話番号
    ※ 区域内通話の区域外からは、通話料金が別途かかります
    ※ アクセスポイントは予告なく追加・変更・廃止されることがあります
    接続設定の手順 / よくあるご質問 / サポート窓口
    1996年の画面構造料金表ではなく電話番号の一覧が、契約を決める資料だった。 月額料金が同じでも、自分の住所から区域内通話で届く番号があるかどうかで、 実際に払う額がまったく違ってくる。 1996年10月現在、ダイヤルアップIP接続用のアクセスポイントは全国に282か所。 全国3,255市町村のうち区域内通話でつなげたのは2,126市町村で、 残りの約3分の1は、つなぐたびに市外通話の料金が乗った。 下の但し書きも当時の性格を示している。 一覧は固定されておらず、追加も廃止もある。 利用者は接続先の番号を自分で管理し、変わるたびに設定を直していた。 いまの回線契約に「どこへ電話をかけるか」という項目は無い。 つなぐという作業が利用者の側に残っていたことが、この一枚に出ている。 これは実際の画面の複製ではなく、構成を説明するための模式図である。契約前に確認し、契約後も手元に置いておく一覧。紙で配られることも多かった※ 実際の画面の複製ではなく、当時の構成を説明するために作成した模式図です。
  3. 1999「つながること」が約束の対象になった1999年のネットへ →

    1999年6月、同社はサービス品質保証制度(SLA)を国内で初めて導入した。 可用性・遅延時間・パケット損失率・障害通知の4項目に保証値を提示する仕組みである。 裏返せば、それまで品質は約束されていなかった。 つながらない、遅い、途中で切れる。 1990年代のインターネットにまつわる不満の多くは、 提供側が守るべき水準を提示していない状態で起きていた。 この年は、同社が米国ナスダック市場へ上場した年でもある。 日本ではインターネット関連企業の上場がまだ一般的でなかった時期にあたる。 接続そのものが商売として成立し、 品質を数値で約束できるところまで来た地点が1999年だった。 個人にとってのインターネットが「特別なもの」から 「動いていて当たり前のもの」へ移る境目が、ここにある。

系譜

この後に出てきたもの

同じ時代にあったもの

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保存状況: 多数保存 1996年から継続的に採取されている

この時代のインターネットへ

IIJ(インターネット接続サービス)だけを見ても、当時の空気は分かりません。同じころ何が存在していたかを見てください。

出典

  1. 一次資料沿革 ── 株式会社インターネットイニシアティブ株式会社インターネットイニシアティブ
    1992年12月に企画会社を設立、1993年5月に社名変更、同年7月にUUCPサービス、 1993年11月に「インターネット接続サービス」開始(国内初)、 1994年2月に特別第二種電気通信事業者へ登録、1994年5月に「ダイアルアップIPサービス」開始(国内初)、 1996年12月に個人向けサービス「IIJ4U」開始、 1999年6月に「可用性」「遅延時間」「パケット損失率」「障害通知」の4項目からなる サービス品質保証制度(SLA)を国内初で導入、1999年8月に米国ナスダック市場へ上場。 また1998年のルータ開発の記述に「当時はアクセスポイントの新設や廃止が頻繁にあった」とある
    確認日: 2026-08-17
  2. 公的資料第1章第1節5(1)インターネットの普及状況(平成9年版 通信白書)郵政省(現 総務省)
    1996年10月現在、インターネットにダイヤルアップIP接続するためのアクセスポイントは 全国に282か所(3分間の通話が10円でかけられる単位料金区域)存在したこと。 全国3,255の市町村のうち2,126市町村が区域内通話でインターネットへ接続可能で、 そのうち1,609市町村には複数のプロバイダのアクセスポイントがあったこと。 1996年2月末時点でインターネット接続サービスを行う第二種電気通信事業者は1,640社
    確認日: 2026-08-17
  3. 公的資料第1章第1節5(2)パソコン通信サービスの普及状況(平成9年版 通信白書)郵政省(現 総務省)
    同時期に個人が実際に使っていたネットワークの規模。 接続サービスが個人向けに開かれる前、家庭からの利用はパソコン通信が主流だった
    確認日: 2026-08-17

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